第3話 バチが当たったの

※グロテスクな表現が含まれる文があります。

苦手な方はこのページは飛ばしていただくよう

お願いします。



彼はバイクが大好きな人だった。

いつも調子に乗ってスピードを出しては危険な場面に出くわすことはかなりあった。


だからいつも私は注意をしていた。


「わかってるよ。」


って言って笑いながら私の頭を撫でてくれていた彼は、夜、近くの山にバイクを走らせ帰っていた時に、大型トラックに巻き込まれた。即死だったらしい。


トラックの運転手は轢いたことにはしばらく気づいていなかったらしく、そのまま数十メートル引きずってやっと気づいたらしく、その時既に、彼の頭は、トラックから数メートル離れたところに転がっていたらしい。


体を引き摺った血の跡が道路に無惨にも飛び散り、とても見ていられなかったと近所の人が語っていた。

彼の両親も彼の変わり果てた姿を見た時相当なショックを受けたと言っていた。


浮気をした罰だ。

そう思った。いや、本当は嘘だと、夢だと言って欲しい。

ドッキリだよって笑ってまた頭を撫でて欲しい。

棺の中で半分も見えない顔をずっと眺めながら、私はしばらく泣いた。


私を裏切ったりするから、バチが当たったのよ。


心の中は複雑に揺れていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る