第6話 バス

 私は毎朝バスを利用して出勤している。ラッシュの時間帯を避けられているので、毎日ではないが、大体座れる。

 バスでは音楽を聴いたりして過ごしている。本を読んだりもしたいのだが、あの揺れが心地よく、いつも眠ってしまう。

 

 思えば、私はよく眠る。

 幼児の頃から。いや、生まれたときから?さすがに生まれたときは「おんぎゃあ」、と泣いたはずであるが。

 赤ん坊の時、ミルクの時間になっても眠るばかりで全く起きず、母はそんな私を起こしてよいのか困り医師に相談したところ、「いや、起こしてください!」と怒られたらしい。医師に感謝だ。夢の中は心地よくとも栄養を摂らないと死んでしまう。母は母で、私は眠っているし起こしたらかわいそう?という思いであったらしいが。うーん。優しい配慮、ありがとう。


 私が小学生の頃、よく家族旅行に行った。楽しかった、と言いたいところだが、観光より私は車の中にいる方が実は好きだった。もちろん運転するからではない。眠れるからだ。

 「さあ(観光地に)着いたよ!」両親は、おおやっと着いた、よし楽しもう!と言わんばかりに車をさっさと降りる。だが私は「えー、まだ眠っていたい…。」とノロノロと目を覚ます。

 

 また、幼いころ、母の操縦する自転車の後ろに乗っても眠っていた。熟睡して身体が傾き、一度(?)、車道に落ちそうになったことがある。私を呼ぶ母の声で目が覚めた。私は落っこちずに済んだ。

 

 以前、通勤時に利用していた電車でも私はよく眠った。混雑していて座れないなんてことしょっちゅうだったが、なに、心配はいらない、私は立ってでも眠れる。

 つり革を掴み、ぼーっとしていると、眠気が襲ってくる。でも危ないので、やめることにしよう。(眠さを我慢できるかは分からないが。)


 眠いといえば、大学の講義も眠かった。いや、真剣に勉強していた。真剣だったけれども、通学時の電車の疲れなどがたまり、眠くなってしまうのだった。席は前の方なのに。先生にばれていたと思う。(この眠気は揺れとは関係ないが…)。


 というわけで、私はよく眠る。

 午前0時までなんて起きていられない。毎年除夜の鐘を聴くのを、早々と諦めてしまうタイプだ。

 

 今日もバスを使って出勤である。これを書いている今は午前6時前。さて、今日も無事座れるだろうか。そして眠れるだろうか。

 心地よい眠り。大好きだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る