第5話 スイッチ

 スイッチについて考えてみた。

 電気のではない。

 心の。気持ちの。


 私の心のスイッチは、朝起きてすぐ刺繍をすることと、通勤のバスの中で音楽を聴くことでONになる。今のところ。

 刺繍については、第1話で詳細を書いたので、今回は省く。

 朝、バスの中で聴く音楽は決まっている。友人から教えてもらった男性4人のバンドだ。とても良い曲ばかりで、ヴォーカルの方の、喉から振り絞っているような歌声が素晴らしい。心に響く。

 その方の曲を聴くと、まだぼんやりとした頭や、動かしきれていない身体の奥の方の筋肉やらが、目を覚ますのだ。そしてじわじわとやる気を出していくという作戦だ。これはなかなかうまくいく。

 私はいきなりやる気を出そうとすると、午後が持たなくなる。そこの匙加減が、なんとも難しいのだが。

 女性なら、メイクをするとONのモードになるという話をよく聞くが、私の場合はメイクは約5分で終わるので、あまりONにならない。残念ながら。


 ということで、知り合いに訊いてみた。

 「あなたにとってのスイッチはなに?」

 アクセサリーを身に付けること、という答えが返ってきた。

 なるほど。アクセサリー。私はあまり、というか殆ど付けない。指輪をすると、手を洗うときに思いきり洗えないのだ。それがいやで、洗う時にはずして無くしたことがある。それからネックレス。ネックレスをすれば、チェーンが当たる首の部分が、かゆくなる。そしてイヤリング(私はピアスの穴を空けたことがない)。ずっと付けていると痛くなってくる。もしくは、付けていることを忘れて、なんだかかゆいな、と手で耳を触っていつの間にか落として無くす。

 とまあこんな具合なので、残念ながらあまり付けていないのだ。

 

 だが、先日、友人から手作りのコットンパールのイヤリングを戴いた。とても嬉しかったが、まだ付けていない。コロナ対策でマスクをしているから、マスクを取るたびに落としそうになり、こわいのだ。いつ付けようか、悩んでいる。いや、わくわくしている。


 あるいは出勤の日と休みの日の着る服を分けることで、切り替えている人もいる。これは私にもできそうだ。平日はオフィスカジュアルで。休日は自分の好きな服を着る。まあ、仕事のときと休日の服装が全く同じという人はあまりいないとは思うが…。

 

 また他の知り合いは、勤務先のドアを開けることでスイッチを入れるようだ。その方は、ON、OFFの切り替えが上手な方で、仕事が終わったら、仕事のことはもう考えないようにするらしい。

 切り替えは大事だ。それがきちんと出来る人が羨ましい。


 私は若いころ、切り替えが上手ではなかった。他人からしたら小さなことでも、思い切り思い悩んでしまったし、その日に生じた心のモヤモヤを、その日中に消化することが出来なくて、苦しんだ。


 だが、思った。今、私の目の前にはこのPCがある。このカクヨムを書いていることも、スイッチのON、OFFのひとつになるのだ。そう思って書いている人は、沢山いると思う。  

 私は書くことで、自分の思いを整理し、心を落ち着かせる。読むことで共感し、その日のモヤモヤ君を追っ払うことが出来る。そうしていくことで、徐々にOFFにしていく。

 このサイトは凄い。(今、気づいた)。良かった、このサイトに出逢えて!

 教えてくれた方々、ありがとうございます。

 

ということで、これからも、のんびりと書いていこうと思うので、お時間あるときは、ぜひこの日記なるものを覗きに来て欲しい。

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