第11話Ⅰ-11 サリナのセンタク

■スモークの町 東の森の中


ゴブリン狩りを終えた俺達はギルドに戻って綺麗で優しいお姉さんに組合員証を見せた。

俺の証明書の色は黄色を飛び越して緑になっている。

お姉さんが驚愕の表情を浮かべながらも懸賞金の金貨5枚、銀貨6枚、銅貨4枚を用意してくれた。


金は全然使わないので溜まる一方だ。

銀貨20枚をサリナにやろうとしたがドン引きで断られた。

俺の奴隷にされるとでも思ったのか?


「何か欲しいものは無いの? 服とか?」


「サトルさんが着ている服と同じものが欲しいです」


ちょっとはにかみながら俺を上目遣いで見てくる。


「いいよ、夕食の時に用意してあげるよ」


現世のものでよければ無料で幾らでも手にはいる。

だが、少し気になることがあったので、それも着替えるときに解決しよう。


スモークの町から先は更にモンスターや獣が増えてくるらしい。

獣もモンスターに昇格しているタイプが幾つか出てくる。

決して野宿はするな・・・、と優しいお姉さんは言っていた。


しかし、サリナ強化策のためには昨晩と同じことをやってみたい。

今日は早めに準備をすることにしておく。


スクーターで更に南の町を一つ通過したところを野営地と決めた。

時間は16時15分で日はまだ落ちていない。


昨日と同じ、くくり罠の仕掛けを森の中に設置しに行く。

サリナに地面を掘らせて7箇所仕掛けた。


辺りにクリとタケノコをばら撒いておく。


今日の狙いはマッドボアという牙が異常に発達したイノシシとトリプルホーンと言う角が縦に3本並んだ鹿だ。

お姉さんの話では肉食では無いが、非常に攻撃的で人が見つかれば必ず襲い掛かるらしい。


両方とも危険なモンスターだが、大きさは狼より一回りほど大きいだけと聞いている。

くくり罠で何とかなる筈だ。


罠の後はキャンプ地の設営を始める、ストレージから組み立てられたテントを出して、マットの上にペグで固定した。


ストレージの使い方も発想を変えた。

要するに現世に実在すれば何でもあるのだから、組み立てられたものや、弾が装填されたものを呼び出せばよかっただけだ。

まだ、自分でリクエストした仕様を充分使いこなせていない。

他にも間違っていることがあるだろうが、少しづつ気が付けばいいと気楽に考えている。

時間はタップリあるはずだ。


テントはわなの風下800メートルぐらいに設置してある。

見えないが悲鳴で気が付くと踏んでいる。

風向きが変わればあきらめるしかないだろう。


一通り準備が整ったのでサリナを洗うことにする。

はっきり言ってかなり匂うのですよ。


スクーターで走っている時は風で気になら無いが、近づくと何とも言えない匂いがする。

決してサリナだけでは無い、この世界の人達は同じだ。

仕方ないのだろう風呂に入らないのだから。


「ちょっと、両手を上げてそこに立ってよ」


「やっぱり、そう言うことですか?」


「違うけど、いう事聞くんでしょ?」


あきらめた表情で黙って手を上げてくれた。

俺は後ろに回って、メジャーで頭から踵までを2回に分けて計った。

ざっくり身長で145cmだ。


「本当に15歳で間違いないの?」


「嘘じゃありません、もうお嫁にいける歳です!!」


「!」


そうなのか?

異世界だから・・・、いや、現世も昔はそうだったか。


「ヒャッ!」


メジャーを持った手を体の前に回してバストも測る。

ウェスト、ヒップも測らせていただいた。

もちろん触ってないですよ。


心臓バクバクだったが平静を装う。

B92、W57、H95ぐらいだろう。


ストレージのタブレットで、イメージしていたものを探した・・・

残念ながら俺が探したブラ付タンクトップにスリーサイズは不要だった。

S・M・Lの区分しかない。


これは黙っておくことにして、LとLLをストレージから呼び出す。

サーフパンツとセットにしてサリナに渡した。


「テントでこれに着替えてよ、サイズが合うほうでいいからさ」


「お願いですから・・・優しくしてください」


「ああ、約束するよ」


明らかに噛み合ってない会話をそのままにして、着替えている間にポータブルシャワーのタンクにお湯を入れたものを取り出しておく。


シャンプー、ボディーソープ、トリートメント、スポンジを用意した。


「・・・出来ました」


テントの中からささやく声がする。


「出てきてよ」


「・・・できれば外はイヤなのですが、中で優しく・・」


-ちゃうっちゅうねん!


「だめ、テントの中だと濡れるからね」


「濡れる・・・」


-また、変な事想像しとるんやろ!


やっと出てきたサリナはそのHな体つきを俺に見せてくれた。

胸がはちきれんばかりに飛び出している。

サーフパンツから短いが引き締まった太ももが・・・


「じ、じゃあ、ここにた、立ってよ」


完全に動揺した俺は舌が上手く動かない。


「い、今から、お湯をか、かけるからね、目をつぶってて」


「優しくお願いします」


-うん、想像とは違うだろうけど優しくするのは間違いない。


頭の上から、シャワーでお湯をかける。

タップリ髪が濡れたころをシャンプーで洗ってから、髪をシャワーでゆすぐ。

二回やってからトリートメントをつけて、もう一度ゆすぐ。


「良い匂いがします!」


「ああ、もう目を開けても良いよ。今度はこれで体をこすって」


大きなスポンジにボディシャンプーをつけて渡す。


スポンジの泡を見て不思議そうな顔をしていたが手から洗い出した。

その間にストレージからお湯を入れたポリタンクを取り出して、シャワータンクに補充しておく。


「しばらく、あっちを向いとくから服の下もスポンジで洗ってよ」


「はい」


自家発電機とドライヤー、バスタオルを3枚と着替えを用意する。

それとドキドキしながらパンティーを・・・


「もう、見てもいいかな?」


「大丈夫です」


振り向いてみたサリナは首から下が泡でモコモコになっている。

さっそくシャワーで洗い流す。

かなり良い匂いになった、しかし、エモノが気づくかもしれないな・・・


「じゃあ、このタオルで服を着たままでいいから拭いて」


1枚目のバスタオルで体を拭かせて、もう一枚で俺が髪をタオルドライする。

サリナの髪は茶色で肩より少し長いぐらいだ。


全身の水滴がなくなったことを確認してから、バスタオルと着替え、最後におパンティーを・・・


「テントの中でこれを履いて欲しいんだ。その上から服を着てよ」


「やっぱり・・・」


「全部着たら、テントの外に出てきてね」


「はい・・・」


まだ誤解?期待?しているようだ。


テントから出てきた、サリナはオリーブグリーンのカーゴパンツにさっきと同じ黒いタンクトップ姿になっていた。

呼び寄せて、ドライヤーで髪を乾かしてやる。


「風の魔法も使えるんですね!」


-電気様の力ですわ!


髪が乾くとふんわりと良いにおいが広がる。

改めてドキっとした。


こんなに女子の体を触ったのはもちろん初めてだ。

そして、出来上がった女の子は可愛く見える。

化粧をすればもっと可愛いのかな?

あれ?

異世界にはこう言うのがやっぱり必要なのか?

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