第16話 チャーハン

 ぐつぐつ……



 「なに作ってるの?」



 猫耳帽子を被り猫尻尾付きの白いワンピースを着こんだ少女が台所を覗き込んでいた。



 ぐつぐつ……



 中華鍋の中で白湯が沸騰している。



 「にゃー」



 シェフの一声で少女がぱぁぁと笑顔になる。



 「チャーハン!久しぶりだね!」



 「にゃぁー」



 少女は寒い日に食べるチャーハンが大好きだった。


 やがてチャーハンは完成し、コップにとくとくと注がれる。



 「はぁー、あたたまるー」



 「にゃー……」



 体の芯から温まると、少女とシェフは大きめのクッションに深く沈み、一緒にまるまってすやぁした。


 窓の外は深々と雪が降り積もる。



 今日はとても良い日だった。

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