第15話 ぴゅーん2

 地面には凹凸があって、白い部分が多い。


 細かい白いものが積もったり崩れたり溶けたりする地域の上空を飛んでいる。



 勢いよく地表へ近づくと、ぶわぁさぁっ、と舞い散る。


 白いのが。



 その後、ドドドドド、と響きたびたびいっきに崩れる。



 ヒラリと上空へ退避し地面の凹凸を眺めると、少し平坦になっていた。


 白いふわふわが隙間を埋めて、視界をシンプルに染めていく。



 出来に満足を覚えた。


 もっとやろう。



 再び雲を突き抜け、いっきに上空へ上がり、地表へ向けてUターンする。


 テンションが上がり、全身の血行が良くなる。


 そう昇降運動は健康に良いのだ。


 どんどんやろう。



 白い地面がいっきに近づいてき―――








 !?


 !?!?!?



 白いふわふわに全身の3分の1程が埋まっていた。


 突然の衝撃を横から受けて、頭からふわふわに突っ込んだのだ。


 ドドドドドド、地響きが聞こえる。



 羽を広げ、一気に上空へ退避した。


 何があったのだろう。


 地表を見回すも、怪しいものは見当たらない。



 誰が何をした?



 (にゃー)



 脳に直接声が聞こえた。



 (にゃー)



 あ、これ知ってる猫だ。


 なんだ猫か。



 (にゃー)



 この辺りは猫の縄張りか……


 仕方がないので帰ろう。

 


 羽が生えていて鱗塗れのトカゲっぽい何かが、またぴゅーんと飛んで行った。


 南へ。

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