第14話 ぴゅーん1
空は広くて、飽きることは無い。
その子は羽を広げ、地表から離れた。
木々を見下ろし、地上との距離感を愉しむ。
飽きたら適当に降りて、あくびをした。
距離感が楽しい年ごろだった。
地上に降りて少し経つと、またすぐ飛びたくなる。
空へ。
上へ下へ。
全身で味わう重力と、地表の距離感。
たのしい、とても、たのしい。
細かい生物が集まっている辺りに近づくと、やたらエフェクトを用意してくれるので、こういった気分の時には寄ってみる。
この辺りで一番大きな集団をみつけ、颯爽と向かう。
地表から色々むかってきては、周囲でどっかんどっかんと光っている。
ぴゃー、たのしい、ぴゃーーーー。
満足。
その子はゆらりと旋回し、そろそろ景色の違うところを目指して飛んでいく。
カラフルを見たから、真っ白い景色を思って心が躍った。
羽の生えたトカゲのビジュアルがぴゅーんと飛んでいく。
北へ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます