第13話 クトゥルフ5
旅は順調だった。
河童娘は巨猫の背にのって移動を続ける。
夜が来るたび、その毛並みに沈んで眠る生活。
では食事はどうしているのか?
巨猫は意識して踏み込むと、足跡が窪み、そこが水溜りのようになった。
河童娘がその縁に座ると、竿から釣り糸を垂れる。
なんと夕食が釣れてしまうのだ。
少女は名前の判らない絶妙な色形の魚に食べ慣れていった。
姿には色々あったが、今のところちゃんと美味しいし、お腹を壊したりもしていない。
釣れた魚は、焚火をして焼くことが多かった。
少女はキュウリのツマミに焼魚を食べる。
巨猫は生きたまま魚を飲んでいた。
河童娘が魚を釣る、釣り針から魚が外れる、その魚を空中キャッチして猫が飲む。
猫の足跡は約束された爆釣だったから、量的にも問題はなかった。
旅は続く。
寝所は猫、食事処も猫、職人は河童。
何も起こらない旅が続いていく。
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