第8話 家庭菜園、その後

 おでんの種を蒔いたら、猫が生えた。


 少女の言葉は誰にも信じられなかった。



 椅子に座って膝に乗せた猫を撫でながら、何で誰も信じてくれないんだろうねー、と少女は独り言ちる。


 まぁ誰も信じないよとオーディンは思う。



 「おーちゃんは毛並みの良い猫だねぇ」



 少女に背中を撫でられながら、まさか異世界で猫に転生するとは思っていなかったオーディンは喉をゴロゴロと鳴らした。


 目が合ったときに気持ちが通じたのか、名前も一字使われてるし、おーちゃんは満足だった。



 今後の生活、食って寝て過ごす覚悟が決まり、おーちゃんはにゃあと鳴いた。

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