第5話 キャンプのひと1

 まるくて、中身が赤く、瑞々しい甘い果実がありましてね。


 夏の定番でして。



 水分が豊富で、黒い種がパラパラあってね。


 ホント美味しいんですよ。



 目隠しでくるくる回って、棒で叩き割れるかっていうゲームもある感じのあれなんですけどね。



 それ割ったら、他の世界に繋がるとか、想定してませんって。


 誰の責任なんですかね。



 え、こっち指さないで下さいよ。


 どうしようもないんだから。



 どこの農家の作品だろう。


 後でレシートチェックしよう。


 書いてるかな……



 爪切りでパチンパチンと右手で左手の先からコアを切取りまして。


 地面に落ちた爪の欠片の大きさで、性能差のあるガーディアンが複数発生。



 異世界へガーディアンを送り込み、情報収集。



 綺麗な物や、美味しい物があるなら、ラッキーかな。


 ガーディアンに収集させよう。



 と思ったら、程なくいくつかのガーディアンの消滅を感じた。



 大きめの爪の欠片から発生したガーディアンが戻ってくる、気配を感じる。


 あっ、あ、戻ってきた。よほど危険な存在がいたのか、勢いが良い。



 何かが追ってきた。


 あれがやばいやつか。



 あ、入口で転んだ。


 しかし何だあれ、えらく小さいが。



 こっちの世界で言う、人間くらい小さいな。



 小さい生物が群れて動いているのって、生理的に受け付けないんだよね……



 これはあれか、異世界の人間とかか。


 関わりたくないなあ。



 こっちの世界では、巣を見掛けるたびに、全滅させるようにはしているけれど。


 他の世界にまで関わりたくないんだよねぇ。



 なんかあれ倒れたまんまだし、放置して別のところにテント張り直すかな。

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