第16話 病院

 例の出来事から丸一日経って次に目を覚ました時、五人は仲良く揃って病院のベッドの上いた。なんでも鍵を閉めるために学校を回っていた先生に、五人とも気を失って床に寝そべっているのを発見されたらしい。ちなみに、五人とも診断の結果、体になんら異常なしということらしく、本人たちや周囲の大人たちは揃って首を傾げたそうだ。

「なんかだかボク、変な夢を見てた気がする〜」

「……僕も、そんな気がする」

「え、そうなのか? オレ夢なんて全く覚えてないや」

 相変わらず聞こえる間延びした声と、囁くような小さな声、それと打って変わって響く大きな声。萩原と二柏、それから奥村の三人の中では、あの出来事は夢として記憶に落ち着いたようだ。

「こっちに戻ってきたら、説明してくれるんだったよな、中垣内」

「……あぁ」

 しかしこちらの二人はしっかり自身らの体験した記憶として残っているようで、佐野はあの時のようにちょっと瞳を鋭くさせると中垣内にそう尋ねた。

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