第10話 回顧録~ベータ~

はは様、ベータはもしかすると貴女の指示を守れないかもしれない。





初めて会った時から気に食わない男。





地球の管理者権限を持つはは様への無礼な態度。


姉さまと私が誓わされた契約。


私たちが着いて行くと言うのに迷惑そうな顔。


本当に最初から最悪。





この男はそもそも自分の行動が地球に住む人々の未来を左右すると本当に理解している?





はは様は言った。





「彼女がもし元の世界に戻れなければ、地球は現在の人口を1/4にまで減らす事になるでしょう」





「彼女は世界統一政府の初代大統領になる人間です」





「貴方には彼女の身代わりになって貰う事になるでしょう」





その様な話を聞いてもこの男は動揺する事もなく。


淡々と「何をすれば良い?」と言った。





本当に気に入らない。


この自分勝手な男は一体自分の命を何だと思っている?





そして何よりも気に食わないのは…私がこの男の為に、はは様の指示に逆らおうとしている事!





勝手に死ぬなんて許さない。私が全力で貴方を助ける。


ここでは神の奇跡などあてに出来ない。





待ってて欲しい。もう少し、もう少しで、貴方は覚醒する。


新しい力が貴方の助けになる。





お願い。


届いて…この力よ…彼に…届け!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る