第9話 わし、再びレベル違いの敵と戦う 前編

いつもの田中です。前回のあらすじ。誰かの手によって若返ったA。それにより、体力などの力を取り戻すことに成功する。途中事件が起きたものの、無事切り抜けることに成功した!もし、Aがやっぱ前の顔がいいなと思ったら元に戻すことにする。そういうことにしよう。では、本編へどうぞ。








〖〗

「今日もいい天気じゃな。よっしゃ、頑張りますかな」


いつも通りの支度をして宿をでる。今までとは違う街並に心を踊らせて。しばらく歩くと、まだ見たことのない店を見つけた。店名は[武器強化堂]。そのまんまな名前だ。とりあえず気になったらチャレンジ。これは大切な心構えである。ガチャ。扉を開け、店の中に入る。中には中年くらいのおっさん(店長)。店内は割とクラシックな感じである。まずこの店の仕組みなどを聞くために店長に話しかける。


「何をするんだ?選んでくれ」


選択肢が出てくる。

①:武器への特殊効果付与

②:武器を売る

③:特殊効果付与についての説明

の3つだ。まずは特殊効果についての説明を聞かねばならない。そのことについては全く知らないからだ。


「んじゃ、特殊効果の付与についての説明で」


店長が話し始める。


「まず特殊効果についての説明だ。特殊効果ってのはその名の通り、本来の効果とは別についている効果のことだ。例をあげるなら[火炎付与]や[虫特攻]のような物があるな。そして特殊効果付与というのはこれらの効果を自分の武器につけるという物だ。ちなみに武器には特殊効果を3つまで付与できる。途中で変えることは可能だ。それだけで武器はかなり強くなる。今までより戦いやすくなるだろう。説明は以上だ」


大体わかった。武器を強化できるなら是非とも頼みたいな。Aは次に武器への特殊効果付与を選択。目の前に画面が現れ、そこには特殊効果が多く載っていた。


「ふーん。[先端強化]に[アンデッド特攻]…………。どれがいいかねぇ?」


Aはこれからの自分を想定する。


(まず魔王軍の奴らとの戦いと勇者との戦いは避けられないねぇ。なら攻撃力アップ系は必要か。これは確定。あとは、できるだけモンスター産のアイテムが欲しいから、アイテムドロップ率上昇だな。これでいくぜよ)


ちなみに、あらかじめ[血塊の双刀]にはスキルが1つついているので今回は2つにしたという訳だ。


「ありがとございましたー」


店長の威勢のいい声と共に外へ出る。更に強くなることができた。他の街にもこの店はあるだろうか?あればこれからも使うことになるだろう。


(んじゃ、他の店も行ってみるかねぇ。楽しみぞい!)


それから約3時間を使って街を歩きながら店に入ったりしてみた。武器強化堂以外にも面白い店はあった。例えば、音楽店。音楽店ではこちらの世界で運営が作ったオリジナルの曲を聴くことができる。なかなかいい曲だったよ…。他には、ゲームセンター。コインを金で買い、色々なゲームに挑戦できる。コインで限定のアイテムも買えたりする。ただ、景品のほとんどがAの使わないような娯楽物ばかりでやる気は起きなかった。


(この街はこれぐらいか。ならスキル集めへ移行!行くぜ!)


それからAは片っ端から周り、スキルを獲得しまくるのであった。








〖〗

「あ~、少し疲れた~。この街でする事もう無いわ。結局1日で探索終わっちまったわい」


今Aは街付近の森の中にいる。何故か運営は仙人を森へ多く配置する。おかげでいちいち街を離れないといけない。めんどくさいわ!

Aは森を出るために後ろを向き、歩き始める。その時、後ろから何か気を感じた。その時にはAの前に何者かが迫っていた。しかも剣を2本持って。何者かはAに剣を振る。


「ふうっ!危ね!おい!わしが咄嗟に横に飛んでなきゃ死んでたぞ!!お前は何だ!」


何者かは剣を構えたまま、


「俺の名はダークナイト!魔王軍六天王の1人!そしてお前が倒したナイトのリーダー!魔王様の命により、貴様をこの世界から消す!」


確かに見た目はナイトそっくりだし、なんか前に戦ったナイトより黒い。Dナイトは戦いたそうにこっちを見ている。やるしかないのか!?


(やべぇよ…やべぇよ…。あいつ六天王とか言ってやがった…。絶対ヤバいやつじゃん。てか四天王じゃないのか。いや、そんなことはどうでもいい。)


できるなら逃げたい!Aは思った。だがナイトのリーダー。普通のナイトでさえあんなに早かったのにこいつはそれを超えているだろう。


(あれで行くか……)


「では、覚悟!」


Dナイトがこちらへ向かってくる。剣を2本持って。


(ギリギリまで引き付けて………)


……………………来た!今じゃ!Aは魔法を発動した。


「[酢、精製]!」


「何だ!?」


ヘルムの中に酢を送りこんでやった。これでしばらく目は使えまい。いくら強かろうと攻撃を避けれなければ意味はない!ふん。これは勝ったな(確信)。Aは双刀を抜き、


「[6連斬り]!]


刀はDナイトの首を討ち取った。かのように思ったが、


「おっと危ない。貴様、なかなか姑息なやつだな。お前みたいなやつが魔王軍にふさわしいわ。まあ、敵同士だがね」


嘘だろ!?Dナイトは2つの剣でこちらの双刀を受け止めている。目は!?見えないはずだろう!?


(あっ!!)


AとDナイトの顔が向かいあっていてよく見ると、


(目が無い!だから染みもしないのか!)


「残念だがここまでだ。……ふんっ!」


Dナイトがおもいっきり剣で刀を弾く。クソ!ヤバい。後ろに下がろうとするが剣は迫っていた。


「[風の盾]!」


「無駄だ!」


あっさりと盾は破壊され、剣がAの腹を捉えた―――。


「ぐぁぁぁぁぁぁー!!!」


地面に倒れるA。おびただしい程の赤いエフェクト。もう[治療]を唱える気力もない。


(今度こそここまでか…………)


「さらば!」


「ちょっと待てや!!!そこの野郎!!」


「何者だ!貴様!邪魔をするな!」


「[治療]、[治療]、[治療]っとこんなもんでいいか。立てるか?」


なんだこいつは!勇者か?くっ!今はそんなことはいい、立ち上がれ!


「うっ!…ハア…ハア……ハア」


「よっしゃ!助かったな!ああ、俺の名前を言っていなかったな。んじゃあ聞け!俺の名前は!」


Aは驚いた。


「〔あ〕。勇者〔あ〕だ!再来週くらいまでに魔王を倒す者!」


その名前の適当さに。

























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