第8話 わし、整形される

どうも!田中です!前回のあらすじ。休みをとろうとのんびりしていたA。だが、彼の元に宗教勧誘が現れる。まさかの2人。そしてなんやかんやあって宗教勧誘同士で起こる争い!それを見事に阻止したAは宿に帰って寝るのだった。


と、ここまでがあらすじだ。本題に入ろう。Aは元々はただの村人A。ただの老人だ。最初こそはあまり動くことは出来なかったが今ではレベルは上がり、筋力などが上昇したことにより、肉体を強化したりしなくても戦うことが出来るようになった!


そこで僕は思った。ここまで動けるのならいっそ若返えらせてやろうと。その方が見栄えもいいと思うんだ。てなわけでグランドワールドのデータにハッキングしてAの見た目を変えておいたよ。何故か見た目はすぐに思いついた。残念なことに指名手配書の方も変更されてしまったがまあ、しょうがないね。ハッキング自体は簡単だった。なぜなら元社員だからね。少しズルい気はするがこの先ヤバいやつらが待ち受けているだろうからね。では、物語をどうぞ!








〖〗

「ふあ~~。よく寝たわい。まずは洗顔じゃ!」


いつも通りの朝。顔を洗うために洗面所へ向かう。そこまでは普通だった。だが、鏡を見て衝撃を受けた。


「あれ?鏡に写ってる顔がいつもと違う…。もしかして顔が変わってる?てかよく見たら体もなんかみずみずしい感じじゃ…。凄いぞ!若返ってる!理由は知らんが素晴らしい!」


確かによくみると、面影が残っているようで

今までシワばかりだった顔は青年のそれになり、腕や足には筋肉が付いている。白髪とハゲていた部分はしっかりと黒髪が生えている。


「やっほう!これでさらに動ける!つまり強くなったと同じ!なんか自信出てきたぁ!」


Aは感動のあまり涙を流すのだった。


「さらに深くみてみると割とイケメンじゃない?これはモテる!」


顔が変わったAは冷静になり考える。


「もしかして指名手配書の顔が変わってるとかないかの?」


それは気になることである。変わったとしたら狩りが楽になる。


「まあ、不安だし遠くから見て見るかね」


Aは窓を開け、[遠眼]を使用し、指名手配書を探す。


「あったあった。…………。向こうも更新されてんのかい!畜生!顔は覆わなくて済むと思ったのに!」


期待は見事に外れるのであった。このまま外に出なくて良かったと安堵したA。Aは食事をとり、いつもの装備をきて宿を出るのであった。若者があの装備ってのも中々ヤバいけどね。








〖〗

やっぱり注目された(いつも通り)。仕方ないじゃないか。顔晒したら追われちまうんだもん。


(よっしゃ!若返ったし街を歩き回って何人に声かけられるか試してみよ!)


しばらく歩く。[盗聴]により、ひそひそ話もしっかり聞き取る。


「あの人体格よくない?」


「いいけどちょっと装備のセンスがねぇ…」


「ダサ過ぎワロタw」


「顔を見せてクレメンス!」


「はぁはぁ、あの隠された顔には何が!?興奮して来たぁ!」


「やっぱファッションが大切ね」


うるせえ!やっぱり装備か!だが、これしかない。これで行くんじゃ!その後多少は声をかけられたものの、顔見せてとかそんなもんだった。人間顔じゃない!中身だ!…わしは人口知能だけどね。しばらくして路地裏へと入る。持ち物は全てストレージにしまってあ

る。このまま第6の街へと向かう。路地裏から行った方が街の出口へ行くのに近いのだ。歩いていると、後ろから急に声をかけられた。


「そこの坊や、いい体格ね。さぞかし顔もいいんでしょうね。見せてくれたら2人でいい事させてあげるから!ほら、森の奥に行きましょう?」


話しかけてきたのは胸元の大きく開いた服を着ている女性。これはあきらかに罠ですね……。普通の下心ばかりの男なら行ってしまうがわしは違う!冷静になれば分かることだ。まず顔を見せるだけに体を差し出す程の価値があるとは思えない。決定的なのはこのゲームでは"そういったこと"はできないということだ。もししようとすれば保護コードが発動し、止められてしまう。目的は襲われそうになったとか言って金をむしりとるとかそこいらだろう。そんな悪女は成敗いたす。


「ああ、人気のない所でだ」


そういった瞬間、女は首に手を回し、くっついてくる。ちょっとその大きい物が当たってますよ。止めろ、落ち着け。わしは見た目は若者。頭脳はじじい。そうだ。じじいがこんな物に欲情するな!………。やっぱりヤバいわ。………いや、駄目だ!こいつは悪女。こいつのテンポにのるな!そのまま歩きつつ、話をしながら森へと向かう。


「あなた、もしかしてこういうのシたことがないの?フフッ、楽しみにしててね」


とか、


「いっそこのままくっついちゃわない?あたし達の愛は誰にも邪魔できないわ!」


「ああ、邪魔するものはし[ばく、いん]湿な嫌がらせを受けたって愛は不滅だ」


少し、女がニヤリと微笑んだ気がした。さらに10分くらい歩いて、かなり森の奥へと来た。誰もいない。辺りを見回していると、女が口を開く。


「さて、んじゃ金よこしな」


いきなり来たな。やっぱりそれが目的か。


「嫌だといったら?」


「ここいらにはあたしの仲間がいる。逃げたりしても無駄だ。諦めな」


森の奥なのは隠れやすいのと助けを呼べないため。そんなもんか。


「すまんな。俺は金を払わない。なぜならその相手はもう死んでいるからだ」


「何を言っているの?早くしなさい!」


女が叫ぶ。んじゃやるか。Aは呟いた。


「[爆破]」


その言葉が口から出たときには女の首から上は消し飛んでいた。そして光の結晶となり消えたいった。


「成敗いたした。ざまあねぇや!あらかじめてめぇには魔法を仕掛けておいたのよ」


[爆印ばくいん]と[爆破]これで1つの魔法だ。まず[爆印]は触れた部分に刻印をつけることができる。Aの場合女の首に手を当てていたので首に刻印が押された。首に刻印が出来てもそんなところは覗けないので気づくことはない。刻印は爆破するまで消えることなく残り続ける。[爆破]は好きなタイミングで行うことができ、それにより刻印が爆発する。基本的には地面に使って地雷のように使うのだが、一応人につけることができる。かなり難易度は高いため、この方法はあまり使わないだろう。だが、Aは会話の中で自然な言葉になるように魔法を使ったのだ。結果的にバレることなく[爆破]まで行けた。


「さあ、あとはおかたづけだ。来いよ。まとめて相手してやる」


Aが全員を殺すのに時間はかからなかった。








〖〗

(着いた。ここが第6の街…。今までとは構造が違うようじゃ。今日は疲れたし、探索は明日じゃな)


あの後、そのまま森を通って街まで向かった。モンスターも出てきたが、今のAの敵ではない。レベルは30とかなり高い状態だ。

Aは宿をとり、風呂に入り、食事をとる。あとはベッドに入る。Aは天井を見上げ、1日の反省をした。


(若返ってみてデメリットよりメリットの方が大きく感じた。戦ってみて実感した。とても動きやすい。くっ、顔さえ隠れていなければモテるという特典もあったのに!せっかく若返ったならそういう経験も欲しい!)


気になっている所があるとしたら喋り方が混ざってしまっていることだ。若者のような話し方か、高齢の話し方か。まあ、どちらでもいいか。


(んじゃ、寝るか)


Aは眠りに入った。












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