第7話 わし、宗教勧誘を受ける

おっす!オラ田中!前回のあらすじだ![血塊の刀]を十分に堪能したAは魔法を鍛えるために高いローブを買いにいった!そして多くの魔法スキルも手に入れ、楽しんだA!さすがにここまで残虐になるとは思わなかったけどね…。まあ、これがAのやり方なのだろう。では、本編へどうぞ!








〖〗

わし、村人Aは困っていた。


「どうですか?ラーメン教。入るだけでラーメンを毎日食べられ、ラーメンの神に愛されるのです!さあ!今なら入会費5万円!ぜひ!」


この鬱陶しい宗教勧誘に。ことは数分前に遡る。


「ふー!今日は第6の街へ行こうと思ったけど、最近休めてないし、のんびりと今日は過ごすぞい!」


そう考え、わしは街の広場にある噴水で休んでいたのだ。ちなみに哀れみの目で見られていた。やはり他人の目から見てもこの格好は酷いのね……。


「やっぱり休みは大切じゃ!噴水の音がわしの心を落ち着かせる…」


そうやって休んでいたのだ。だが、事件は起きた。


「へい!そこのナイスガイ!」


「わし?」


「ええ!」


服にラーメンの絵がプリントされたものを着ている男が声をかけてきた。


「あなた、ラーメン教に入りませんかぁ?」


んだよ。ラーメン教って。舐めてんのか?胡散臭すぎる。こいつはくせぇ!ゲロ以下の臭いがプンプンするぜ!


「嫌だね。わしは忙しいんじゃ。相手にしてられん!」


「ちょ、待てよ。あなた、不幸そうな顔してますね。うむ。これはラーメン教に入るべきだ!」


失礼なやつだな。絶対入らん!


「ほらこれがこうで……………」


てな感じで今にいたる。マジでしつこい。[加速]で本格的に逃げようとしたところで、


「そこのイケメン!お待ちなさい!」


んだよ。今度は。そいつはうどんの絵がプリントされた服を着た男だった。


「あ?」


少し反抗的な返事をする。だが、そんなの関係なく、


「あなた、うどん教に入らない?入会費6万円で好きなだけうどんが食べることができるうえに、うどん王に直々に信徒と認められるのです。ぜひ!」


なんなんだよこいつら。ラーメンにうどんって……麺類ばっかじゃないか!


「いや、わしは忙しいのじゃ帰る!」


「「待って!!」」


2人の声が重なる。


「「ん?」」


「てめぇ!うどん教か!?ここは俺たちラーメン教のエリアだ!勝手に入ってんじゃねえぞ!」


「いえ、入っておりません。ほら、ここの石の割れ目が境界線です。まあ、ラーメン教のような節穴では分からないでしょうね!」


勝手に喧嘩を始めやがった……。アホくさ。帰る。


「てめぇらにはうんざりしていたんだ!ここいらで決着つけようじゃねえか!」


「望むところです。潰してあげましょう」


「勝った方があの男を入会される!いいな!」


は?ふざけんなよ!勝手に賞品にすんなや!断れ!断れ!


「いいでしょう!それでやりましょう!」


あっ(絶望)


「時間は午後4時に森の中心!逃げんなよ!」


「そちらこそ。負けるのが怖くて逃げたすなんてことはしないように」


「お前も立ち会い人としてこい!来なかったら分かってるな?」


「ワカリマシタ(棒よみ)」


2人はそれぞれ逆の方向へ走っていく。


「[チェイサー]」


Aは2人に魔法をかけ、その場を離れた。








〖〗

あ~クソ!めんどくさい!なんで休みにこんな事を!勝負の時間なんて無駄!アイツらを先にぶっ殺してやる!


(さあ、まずラーメン教からだ。どこにいるかな?)


Aはマップを開いた。マップには赤と青の印。これは[チェイサー]のスキルによるものだ。このスキルは最大3人を対象として発動でき、対象の者の位置を把握できるというものだ。


(今は森の入口か。殺るのは奥へいってからだ)


Aがラーメン教を追っていると、ラーメン教が森の奥へ進み、何か男と話しているのを確認した。Aはスキル[盗聴]を発動。忍者っぽい見た目だからこのスキルはかなりあっていると言える。[盗聴]はその名の通り相手の会話を盗むことができる。


「お前が凄腕の暗殺者のいくら丼マンだな?頼む。金は払うから暗殺してほしい奴がいる」


(ん?暗殺の依頼だって?いや、まず暗殺者の名前がふざけてやがる。絶対名前設定後に後悔しただろ)


こういった暗殺者は少なからずいる。だが、現実とは違い、ゲームの中なのでもし相手を殺したとしても蘇る。それでも殺す理由は主に相手のアイテムのドロップを狙うことや、デスペナルティを与えるというものが主だ。


「分かった。どいつだ?教えてクレメンス」


「こいつだ。こいつを午後4時までに暗殺してほしい」


ラーメン教は写真をいくら丼マンに渡す。スキル[遠眼]を使って見てみると、それはうどん教の写真だった。


(あいつ汚ねぇ!てかラーメン教も同じこと

考えてやがった!)


放っておけば勝手にうどん教は殺されるだろう。だが、それではわしがラーメン教に入ることになってしまう。


(それは回避せねば!今ここで殺す!)


Aは[肉体強化]を使い、指をラーメン教に向ける。


「んじゃ頼んだぜ」


ラーメン教が後ろを向いた瞬間、


「[水針弾]!


指から高速で水が放たれ、ラーメン教の額を撃ち抜く。


「がァ!」


ラーメン教は光の結晶となり、消えていった。


「何やつ!」


Aに向かってナイフが飛んでくる。それをスレスレのところで避けて再び指を向け、


「[水針弾]!」


またしても額に命中。やっぱり肉体を強化しておくと狙いが安定する。そして、いくら丼マンも消えていった。何故か結晶がいくらに見えた。気のせいだろう。


(これでラーメン教は止めた。次はうどん教か…)


Aはうどん教の方向へと向かうのだった。








〖〗

うどん教は決闘の場である森の中にいた。


(あいつ、地面に穴掘ってやがる!あらかじめ決闘の場に細工をするとは卑怯なやつだ!どっちもどっちじゃないか)


うどん教が穴を堀り終え、後は隠すというところでAはどうやってうどん教を殺すかを思いついた。


(穴の中落として生き埋めにしてやるわ!)


[忍びの極意]で気配を消してうどん教の後ろへと忍び寄り、


「バイバイ!」


「へっ!?」


ズダン!と地面の中で音がなる。Aがうどん教を突き落としたのだ。そして、


「[泥流でいりゅう]」


スキル[泥流]により、穴の中で泥が生み出される。


「止めてくれ!ここから引き上げて!」


「嫌だね。このまま生き埋めになれや!」


そのまま泥を生み出し続け、うどん教が完全に見えなくなったと共に、スキルを止める。


(ようやく終わった…。少し泥で汚れちまったわい。早く帰って洗わなきゃ…)


まあ、ゲームの中なのでしばらく演出がついただけだ。でも、やっぱり気にはなるよね。








〖〗

「あー疲れたぁぁぁぁ!」


せっかくの休みだったのにとんだ災難だった。もう宗教勧誘はこりごりだ。今日はいつもより早くベッドに入った。


「さて、明日も頑張るかねぇ」


次は第6の街だ。そこで何が待ち受けているのか楽しみだ。そのままAは眠りへとついた。



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