甕のへそ
雪姫が城へ戻った次の日。
一樹と真は、朝から
「穴開けはどんな具合だ?」
「進んでるよ!」
と一樹が甕の底を見せると、底の端っこに申し訳程度の穴があった。
亀吉は眉をハの字にして、
「おめぇのへそはこんな端っこにあんのかよ!」
と開いた口が塞がらない様子だった。
「まあいいや……おめぇらは、
二人は穴開け地獄から離れられることを喜んだ。
一樹は、昨日の事は何も無かったかのように振舞っていた。
植木を載せた大八車は重いはずなのに、一樹と真はどんどん進む。武家屋敷の前を通り、青々とした田を横切って、林へさしかかった。
その時、
大八車を道の
*
二人は公園からつづく林の草の上で目を覚ました。真が急いでスマホを見ると、放課後に岩穴に入った時から1時間だけ経過していた。
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