第11話

2回表。

4番打者と対決する草薙。

初球、シュートを振らせてストライク。

2球目、次はスローカーブを詰まらせるもファール。


3球目、真っ直ぐが外れこれで1-2。

4球目、内角に来たシュートを弾き返す。


金属音と共に、ダイヤモンドを駆け巡り始めた球は、サードの水谷のグローブに収まり、そのまま水谷は強肩を活かした送球で楽々のアウトに。

続く5番打者も2球でセンターフライに打ち取りアウト。


6番打者をヒットで出塁させるも、7番打者は全球ストレートで空振り三振。


その後も試合は風上高校の攻勢状態で進み、草薙も5回まで僅か1安打という投球。

6回表、8番打者が四球で出塁すると、ここから兼倉の機動力が真価を発揮する。

8番打者がいきなり盗塁をしかけ、大田が送球をするも間一髪セーフ。

更に9番打者が意表を突くセーフティバント。

これに戸惑ったか、水谷の送球が僅かに逸れ、一塁もセーフ。


無死一三塁となり、1番打者を迎える。

そしてここで風上高校は満塁策を選択。

少しでも多くのアウトを取る姿勢を見せた。


ここで2番打者。

初球は高めにストライク。

2球目はスローカーブがワンバウンドしボール。

3球目は打って変わって143km/hのストレートを真ん中に投げ込み空振り。


4球目、シュートを詰まらせピッチャーゴロに。

ホームを刺殺し、一塁もアウト。

二死二三塁となった。


「ホームゲッツー・・・満塁策を取ったからには、これ以上無いプレーだな」

田中が神城の隣でそうつぶやいた。


そして3番打者。

1球目、2球目と連続して変化球で空振りを奪う。

しかし3球目、僅かに内に入ったシュートを捉えられ、タイムリーツーベース。

2-4となり、2点を返された。


しかしここはエース。4番打者をきっちりとフライに打ち取りスリーアウト。


そしてその裏、1番の杉浦からの好打順。

まずは杉浦がセンター前に運び無死一塁。

そして2番の立花はしっかりと送りバントを決めて一死二塁。


更に3番の上水流。

低めに来た変化球を捉え、タイムリーヒットに。

4番鈴木は四球を選び、5番の水谷が11球粘った末に2点タイムリーツーベース。

更にここから打線が繋がり、6番の山本が死球で二死一二塁になった後、7番新橋がこの試合初の安打を放つ。


二死満塁で、キャッチャーの大田。

右中間を大きく破る走者一掃のタイムリースリーベースを放ち、この回5点を入れ2-9。


そして、7回表。

姫矢がマウンドにあがる―――。


5番打者を打席に迎え、まずは初球。

高めのストレートを振らせて1ストライク。

更に低めのボールを詰まらせ、ショートゴロに打ち取った。


更に6番打者、初球のフォークボールを振らせ1ストライク。

2球目もフォークボールで空振りを奪う。

更に3球目、真ん中から落ちる形でフォークボールを振らせ、3球3振。


最後の7番打者は初球のインコースストレートを詰まらせセカンドフライ。


外野に飛ばさせることなく完全に抑え、この試合を7回コールドで締めくくった―。

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