第2話 あるノートと少年


ある少年は夏休みのとても暑い日、コンクリートの道路を歩いていた。


周りは田んぼ、ただただ田んぼ。


言ってしまえばど田舎。


田舎のため遊びに行くのは、決まってプール。


それしか頭にない、そして帰りにアイスを買ってという、流れが定番だ。


今日もその帰り。


「はぁー、都会にいきてなぁーー」


独り言を大きく呟く。


周りには誰もいないというか家すら周りにないのである程度大きい声で言っても大丈夫。


バン!!!!!!


そんなことを言っていると後ろから何か音がした。


周りには田んぼしかないため、バンと倒れたりするものはないはず。


そんな不信感を抱いたが俺はゆっくりと後ろを向いた。


そこには、ある一冊のノートがあった。


〜僕らの最高の夏休み〜


そう書かれたノートがあった。


誰かが使ったものらしいとみただけでわかった。


題名が書いてあるのもそうだが、角が少し折れ鉛筆で表紙の色が黒ずんでいる。


あれはどこから落ちてきたかわからないノートを拾ってみた。


汚れている以外におかしいところはなく普通のノートだ。


拾ったからには中身をペラペラと開いてみる。


〜プールでの1日〜


今日はプールで泳いだ。


友達もいたのでとても楽しかった。


帰りには、アイスを食べて頭が少しキンとし


た。


なんだこれ?


小学生が書いたのか。あまりにも幼稚な文章。


一つ一つ区切られた文章、小学生が書いたものとしか思えない。


不思議に思ったが、ここは田んぼに囲まれた道路の真ん中。


こんなところでノートを眺めていたら、他の人から見ればおかしいやつだ。


そう思い俺は持っていたバックの中にそのノートを入れ家に帰って行った。

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