世界の行方 3

 ムサシの目に薄い光が差しこんで、彼はゆっくりと目を開けた。


「あら、気がつきましたか」


 聞き覚えのある声が、まどろんでいるムサシに優しく語りかけた。ムサシの焦点が少しずつ合わさっていく。真っ白な天井がみえた。


「まだ体動かさないでくださいね」


 また誰かが優しく語りかけてくれた。今度は誰だかわかった。ユメだ。

 ユメは少し崩れた布団をなおし、ムサシにそっとかけた。


「体の方は心配なさそうですよ。細かな傷はたくさんありますけど」

「ありがとな」

「あ、私見ていただけでなにもしてませんよ。ふれてすらいません」

「俺のありがとうを返せ!」


 聞くと、ユメはムサシの介護と見張りだった。ちなみについでの方が介護である。


「え、まだ俺ってそんなに信用ないの?」

「もちろんです。変態さんですからね」

「まだいうかそれを」


 ムサシは一度失ったものを取り戻す大変さを噛みしめて、辺りを見渡した。

 最低限の家具。シンプルでまとまった内装。まるでホテルの一室のような場所だとムサシは思った。


「ここはどこなんだ?」

「ここは私たちエモーションのアジトです。そして今日からここがムサシの住む場所になります」

「エモーション? 住む場所?」


 ムサシが思わず聞き返したとき、部屋の扉が開いた。きしむ音が、この部屋の古さを感じさせる。よくよくみれば床もところどころ黒ずんでいた。


 そんな扉を開け、床をきしませながら入ってきたのは、ユウキだ。彼は頬に白い湿布を貼っているだけでピンピンしていた。しかもボロボロの服は新しく新調されている。


「このど腐れ勇者がぁぁ!」

「え!? なんだい急に!」

「なんで湿布だけなんだよ! しかも服元通りじゃんか!」

「あ、ぼく昔から治癒力が高いんだ。そのおかげかな。あとこの服はぼくの大のお気に入りでね。あと六着持っているんだ」

「治癒力高いからってそんなにすぐ治るかよ! しかもあと六着ってことは毎日着て洗濯しても毎日着れるじゃねぇか!」


 ムサシはつっこんでからため息をついた。付き合いきれないと思ったからだ。そこでふと、さきほどのユメの言葉を思い出す。


「そういえば、ここって俺の部屋になるのか?」

「そうだよ。そういう約束だったじゃないか」

「まぁ確かにそうだが……」


 ムサシは釈然としなかった。なぜなら、ムサシはここで目覚める前のことをよく覚えていないからだ。ユウキと闘って最後木刀が交差して――そのあたりから記憶があいまいだ。


「結局あの勝負、勝ったのはどっちなんだ?」

「そんなのどっちでもいいよ。君はなんにせよ、この部屋をゲットしたんだからね」ユウキは少し含んだ言い方をした。


 けれどムサシとしてもあの決闘のことはよく覚えていないし――ベッドにいたので気を失ったのはわかる――蒸し返してもいいことはない気がした。


「まぁ、じゃあありがたく」


 ここは素直に受けいっれるべきだと思い、ムサシは礼を言った。そしてムサシは次の疑問を口にした。


「そんでいったいここはどこなんだ? ユメがエモーションだのアジトだの言ってたけど」

「あってるよ。ここは僕が運営するエモーションっていう組織なんだ。まぁ、まだ人数は少ないけどね」

「……なぁ、その言葉に意味があったりするのか?」

「もちろん。感情をぶつける。そんな意味合いで選んだんだ」

「……そっか」


 ムサシはあっけにとられて、そこから深くこの話を掘り下げることができなかった。その理由はもちろん、ユウキの言った言葉にある。


 エモーションとは、感情の意味をもつ英語である。それをなぜユウキは知っているのか。ここにも英語によく似た言語が発達しているのだろうか。


 ムサシは逡巡したあと、意を決して聞いてみようと口を開けると、


「そういえばムサシお腹すいてないかい? なにかもってこようか?」


 と聞かれ、ムサシはでてきそうになった言葉を呑みこんで頷いた。


「でしたら私がもってきますわ」


 ユメがそういって席を立った。ユウキはそれを止めることはしなかった。


 ユメが部屋を出たのをユウキが確認すると、ユウキがこちらを向いた。真剣な目をしていた。どうやら警戒心はまだとかれていなかったらしい。


「やっと二人で話ができるねムサシ」

「その言い方だと危険な香りが漂ってくるな」

「危険な香りを漂わせているのは君のほうだよムサシ。ぼくはまだ君が記憶喪失だってことを信じちゃいない」

「シリアスな雰囲気なのに、危険な香りの意味をはきちがえてるんだよな」

「それで実のところどうなんだい。君は本当に記憶喪失なのかい?」


 ムサシは言葉に詰まった。いったいどう説明すればこの状況をわかってもらえるのかわからないのだ。きっと本当のことを話しても信じてもらえないだろう。


 だからムサシは、嘘をつき続けることを選んだ。


「あぁ。俺は記憶喪失になってあの洞窟の中でたおれてたんだ。信じるか信じないかじゃない。これはれっきとした事実だ」


 ユウキとムサシは互いにみつめあった(変な意味はない)。そして根負けしたようにユウキが軽く息をついた。


「わかった。ムサシを信じるよ。でも、危険な人物だと判断した場合、僕はようしゃなく君を斬る」

「木刀でか?」

「もちろん」


 ユウキの目は本気だ。きっと彼は本当に木刀でムサシを斬り殺しにくるだろう。それを想像して、ムサシはぞくりと震えた。


 そのとき、タイミングよくユメが入ってきた。手にはトレイが抱えられていて、良い匂いが漂ってくる。なぜか親の手料理が頭に浮かぶ。


「おまたせしました」


 ユメはベッドの横にある小さな机の上に、そのトレイをのせる。


「え……」


 ムサシはトレイに並ぶ料理をみて、目を見開いた。


 味噌汁に惣菜、白米に焼き魚。そのどれをとっても、見た目は完全に元世界とまったく一緒のものだった。


 ムサシが固まっていると、二人は首をかしげた。


「どうしたんだいムサシ?」

「もしかして嫌いなものでもありましたか?」


 二人の言葉にムサシはハッとなった。


「あ、いやおいしそうだと思ってつい見惚れてた! いただきます!」


 ムサシは普通に添えてある箸をもち、その料理を食べてみることにした。


 味は――同じだった。まるで親の手料理でも食べてるみたいだった。


「いったいどうなってるんだ?」


 疑問はたくさんあるが、とにもかくにも元世界の食事はおいしかったので、ムサシはぺろりとたいらげた。


「ごちそうさまでした」

「お粗末さまです。もう満足ですか?」

「あぁうん。ありがとう」


 お礼をいうと、ユメは満足そうにトレイを持って部屋をでていった。


「なぁユウキ。お前たちの食事っていつもあんな感じなのか?」

「あんな感じっていうのがよく分からないけど、基本は和食だよ。とはいえ、そんな凝ったものじゃないし、ある程度つくる料理が決まってるから、定食みたいになってるけど」


 ユウキはそういって笑ったが、ムサシはまったく笑えなかった。頬が思わず引きつり、ムサシは乾いた声をだす。


 ここでムサシはあっけにとられるだけでなく、少し考えてみることにした。


 この世界には人間がいる。それはユメやムサシが証明している。あらためて思うと怖いものがあるが、人間のようなものが異世界に存在していてもおかしくない。


 だが、文化は違う。それはあまたの人間が一からつくりだした、その世界に沿ったものだ。だから例え人間という器は同じでも、考えることやつくりだすものはこの世界に沿ったものでなくてはならない。だが、言語はおろか食文化も同じとはどういうことか。


 これに関して、ムサシは一つの仮説を導きだしている。


「ミカのしわざなのか?」


 ミカは神さまである。


 だから、この世界をムサシに合った世界にすることも意のままかもしれない。それに、そう思えばいままでのできごとはすべて納得がいくし、説明がつく。


 とはいえ、無駄なお節介をしたものである。異世界にきたのに元世界のことを思いだしてしまうのだから。


 けれどもその反面、感謝をせざるをえない。もしミカがそういう風に裁量してなかったら、ここまでうまくことは運ばなかっただろう。


「どうしたんだい?」

「いや、なんでもない。それよりエモーションってなにをするところなんだ?」

「知りたいかい? なら教えてあげるよ。それはね――」


 ユウキは椅子に腰をおろし、ムサシに目を向けた。彼の目は光に満ちていた。まるで欲しいものをじっとガラスケース越しにみる子供のようだ。


「世界の外側を探してるんだ」

「世界の外側? どういう意味だ?」

「もじどおりの意味だよ。いま明らかになっている世界にはもっと先がある。僕はそんな気がしてならないんだ。だからそれをみつけるために動いているんだ。でもそれだけじゃない。いまこの国は内乱が後を絶たない。それはみんな、この世界の内側しかみていないからなんだ。井の中の蛙っていうのかな。この狭い世界に満足して、人はこのちいさな井戸で争っている。僕はそれを変えたい。だからこの組織をつくったんだ」


 ユウキの熱弁にあっけにとられたムサシは、やがて聞いた。


「なんでこの世界に外側があると思うんだ?」

「――夢をみたんだ。そこには巨大な海があって、砂漠があって、たくさんの乗り物があって、たくさんの人種の人々が住んでいる。そんな世界に生きる一人の少年の夢を、ぼくはみたんだ」


 ユウキの考えは不思議で、夢見がちで、普通の人は考えないことを考えて、それを楽しんでいる。それは――ムサシの心をふるわせた。


「なぁ、そのエモーションって組織、おれも入っていいか?」

「もちろんだよ。大歓迎さ。けど、僕はまだ君を警戒していることは忘れないようにね」

「わかってるよ」


 ムサシは自分が心躍っているのに気がついた。もっとこのエモーションという組織を知りたいと思った。


「なぁ、このアジトの案内をしてくれないか?」

「いいけど、立てるのかい?」


 ユウキの質問を、ムサシは立つことで答えを示した。傷は痛むが、歩けないほどではない。


「じゃあいこうか。とはいえ、広くないから案内なんてすぐに終わっちゃうと思うけどね」


 部屋を出てまず目に映ったのは、和風の様相をほどこした細長い廊下と、無数のドアだった。ところせましと並んでるのをみると、ここは宿かなにかなのかもしれない。


「ここは昔宿屋だったんだけど取り壊すことになって、それを譲ってもらったんだ」

「ここは俺以外だれか住んでるのか?」

「うん。僕やユメ、あとはエモーションのメンバーが使ってるよ。全員じゃないけどね」


 話しながら、二人は木でできた螺旋階段をおりていく。赤いマットが敷いてあり、木を抜くと滑りおちてしまいそうだった。そして一段一段おりるたび、喧騒が近づいてくる。


「うわぁでけぇ……」


 第一に驚いたのは、その広さだった。どこかのダンスホールのような広さをほこる大広間は、そこかしこにテーブルとイスが行儀よく並んでいる。


 奥にはキッチンとバーカウンターがセットになったようなものがあり、カウンターチェアもあった。棚にはいくつものお酒がところせましと並んでいた。


 ここを元世界で例えるなら大衆酒場だ。少し煤けていたるところや老朽化しているところが、風情はある。きっと年配なら下町を思い浮かべるのかもしれない。


「ここがダイニングで、向こうには銭湯と仮眠室があるんだ」

「銭湯……ね」


 ムサシがそう呟いたとき、


「おうユウキ! 記憶喪失のやつは目を覚ましたのか? うん? なんだそこにいるじゃねぇか! がはははは!」


 ダイニングにいた大柄な男が、二人に声をかけた。声量が大きく、思わずムサシは体をびくりと震わせた。


「やぁイカリ! あいかわらず声が大きいね。それと彼の名前はムサシだ。今日からエモーションに入るんだ」


 イカリは一瞬ポカンとした表情でムサシをみてから、おもいきり笑った。なにが面白かったのか教えてほしいところだが、ムサシはなにも言わなかった。


「よろしくなムサシ! 俺はイカリだ!」


 ムサシは立ち上がったイカリと握手をかわした。ごつごつしていて、まるで職人の手を触っているかのようだった。あらためてみると、イカリは本当に大きかった。ムサシが見上げるほどに背は高く恰幅があり、シルエットだけみれば熊のようだった。そして彼はなぜか赤いハチマキをしている。学ランをきれば、応援団にしかみえないだろう。


「よし! とりあえず酒をのむぞムサシ! 歓迎会だ!」


 そういいながら、怒りはテーブルに置いてあったビールのようなものを、一気にかっくらった。そしてげぇとげっぷをして、がははとまた笑った。


「それはあとでだ。まだみんなに挨拶してないしね。いきなり歓迎会をしても戸惑うだけだよ」

「なんでぇ! けちくせぇな!同じ夢みる同志だろ!」

「それとこれとは話が別だ! いくよムサシ!」


 ユウキはムサシを押して、イカリから遠ざけた。イカリは不機嫌そうにしていたが、お酒をのんだらまた笑顔になっていた。


「なぁ、夢ってさっきのことか?」

「まぁね」


 ユウキが恥ずかしそうに笑ったとき、


「あー! あいつじゃねぇかゼツボウ! このアジトの新入りってのは!」

「そうだな。だが落ち着くんキボウ。そんなに急がなくてもあいつは後輩だぞ」


 活発な声と、控えめな声が聞こえてきた。どちらも変声期を迎えていないようで声は高く、ムサシはそっと目線をさげた。


 そこには可愛らしい顔をした二人の少年の姿があった。


 一人は目を宝石のように輝かせながらこちらを指さしており、いまにもタックルをしてきそうだった。髪はトマトのように真っ赤でところどころ跳ねている。


 もう一人は暗い銀色の髪をしており、片方の目が髪で隠れている。どちらも背は小さく、年は七、八さいくらいだろう。


 キボウと呼ばれた彼――赤髪のほう――が突然、ほんとうにタックルをかましてきた。


「ぐほぉ!」


 ムサシは受け身もままならないまま床に酷く頭をぶつけるが、おかまいなしにキボウはムサシに馬乗りになって「後輩ゲットだぜ!」と叫んだ。


 その様子をを、ゼツボウはやれやれといった表情でみていた。


「このガキ……悪い子はいねぇがぁ!」


 ムサシはとつぜんキボウの柔らかい頬を挟むと、顔をなまはげに変化させた(比喩てきに)。


「ぎゃぁぁ! お助けぇ!」


 するとキボウは予想以上に怖がり、そそくさとムサシから離れると、ゼツボウの後ろに身を隠した。


「おいゼツボウ! こいつ悪魔だ!」

「そうだったのか。新入りは悪魔。覚えておくぞ」

「こらこら俺は悪魔じゃねぇぞ!」


 ムサシが二人の少年を睨みつけていると、


「ふたりとも! なにやってるのよ!」


 ぱたぱたと一人の少女がこちらにやってきた。息を切らしているのできっと二人を追いかけてきたのだろう。


 その少女は黒髪で三つ編みにして両肩に垂らしている。黒い縁の眼鏡をかけており、鼻のあたりにはそばかすが散乱しており、学校でいじめられそうな少女を絵に描いたような少女だった。


「うわシュウチだ! でも俺はなにも悪い事はしてない! こいつは後輩なんだ!」

「後輩でも年上でしょ! あっちにいってジュースでも飲んでなさい!」


 すると二人はたちまち目が輝き始めて、和気あいあいとジュースの方に走っていってしまった。


「大丈夫ですか?」


 シュウチが心配そうに手を差し伸べてくれた。それだけで、シュウチの人柄は窺える。苦労しそうなタイプだ。


 ムサシはそんな無粋なことを思いながら、お礼をいって立ち上がった。するとシュウチはたちまち目をふせた。どうやら喋ることはそんなに得意ではないようだ。


 変な沈黙が二人を覆ったとき、


「いやいや困ったもんだねぇうちの子は」


 とことこと歩いてきたのは、髪を一つ結びにした小柄な女性だった。髪を後ろにぎゅっと抑えているのもあって、その顔の形はたまごにしかみえなかった。


「もうカンシャさん! ちゃんと子供の面倒をみてくださいよ!」

「いやいやカンシャ。自由に遊ばせてあげようよ。なんたって二人はまだ子供なんだからね」


 カンシャの喋り方は、いまにも眠りにつかされそうなほどゆっくりで朗らかで、牛のようだった。


「カンシャさんはあいかわらずですね……」

「うんうん。それより、君が新たな入居者かい?」

「はい。ムサシといいます」


 ムサシは軽く自己紹介をした。それだけでカンシャは満足したのか、とことこと歩き去ってしまった。どうやらかなりの自由人らしい。


「ムサシっていうんだすね。これからよろしくおねがいしますね」


 たどたどしく、シュウチが頭をさげたとき、


「おいおいあのガキどもはどうにかなんないのかよシュウチ。おちおち寝てられねぇよ」


 またもや誰かがやってきた。がっちりとしたライダースをきこなした、ワイルドな男性だった。


「クウキョさん、今日はどれくらい寝たんですか?」

「んまぁ十八時間くらい?」

「寝すぎです! ていうか逆に凄いですよ!」

「いやぁそれほどでも。うん? お前さては新たな入居者か。よろしくな」


 ムサシは名前を小さくつぶやきながら握手した。クウキョは歯をきらめかせて笑うと、もうひと眠りするといって仮眠室のほうへと去っていった。


 ムサシは青白い顔をしながらそれを見送っていると、


「てめぇら私の酒返せやぁ!」


 ムサシの耳に怒号が響いた。また新たな登場人物の出現らしい。


 ムサシが目をやると、そこにはキボウとゼツボウを追いかけ回す一人の女性がいた。小悪魔のような顔立ちをしていて、髪は手入れしているの綺麗なストレートだった。髪色は少し汚い色をした茶色で、キャバクラに入ればこういう女性は必ずいそうだ。


「あ、シットさん!」


 シュウチが呼び止めると、シットは忙しんだよとでもいうようにこちらを睨みつけた。だが、ムサシはみつけた瞬間、がらりと雰囲気を変えた(いまさら遅い気もするが)。


「私はシットといいます。よろしくおねがいしますね」


 シットはそれだけいうとさきほどの顔に戻り、キボウとゼツボウをまた追いかけ始めた。


 それをムサシは茫然自失の状態でみつめていると、ぬるりとなにかが視界に入って来た。


 それは女性だった。まるで忍者のように真っ黒い服装に身を包ませながら、尖った八重歯をみせるように妖しく笑い、


「けけ。私はサツキ。よろしく」


 とだけ言ってまるで幻影のように突然姿を消した。


 ムサシはもう笑うしかなかった。


 ここでようやくユウキが声をだした。


「とまぁ、他にも数名いるけど、いまの人達がエモーションの活動メンバーだよ」


 ユウキもムサシも心中を察しているのか、苦笑した。


 ムサシは叫んだ。心が叫びたがっているんだ。


「こんないっぺんに覚えられるかぁ!」

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