Buona notte

 

優しくて甘い薫りが漂う中

 

貴方の鼓動を聴くと

羽上がった拍動数が落ち着いてくるのを感じる

 

貴方の話しを聴くと

興奮状態だった37兆個の細胞核が1個ずつ眠りにつくのを感じる

 

まるで

厳かな教会の中で讃美歌を聴いているようだ

 

目を閉じて耳をすませてみると

人一人いない浜辺で

静かに 静かに

寄せては引く波のように

魂の歓喜の声が聞こえてくる

 

星が瞬く澄みきった夏の夜空の下で

貴方と語らいつつ

湿気を帯びてはいるが

どこか涼しい風を一緒に感じていると

頭の先から爪先まで血流が行き渡り“生きている”実感が湧いてくる

 

この感覚は多分

今まで感じたことのない感覚

 

嗚呼

貴方の温もりがあるから

明日もきっと

心臓は無事に動いてくれるだろう

瞼は開いてくれるだろう

大丈夫

怖がらなくていい

 

だからそれまで暫しの休息を

 

きっと新しい目覚めが待っている


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