すれ違い


貴方とは多分何処かで会ったことがあるのではなかろうか

お互い意識していないだけ

どこかできっと2~3回は出会っていると思う

時の悪戯ですれ違っていただけ

きっとそうなのだろうと

 

あれからまだ3ヶ月も経っていないのに1年も経ったような気がしてならない

こんな感覚は初めてで 新鮮に感じる

 

風に吹かれ舞い降りてくる枯れ葉を目で追い掛けながら

もっと早く出会いたかったな…

つい思ってしまうけど

多分今だから良いのかもしれない

そんな絶妙なタイミング

 

飛行機雲が斜め上に走る青天井

鼻孔を擽る珈琲の香り

緑色のアマランサスの花穂が優しく揺れながら

朱色のガーベラを包み込んでいる

 

訪れる日々は退屈知らず

だけど どこか心穏やかな時が静かに過ぎてゆく

 

膨れた風船に尖った針をあてているように

またいつか 急に終止符をうたれる日がくるかもしれない

 

だけど…

 

今はただ このままでいたい 放っておいて欲しいと

つい願ってしまう自分が

心のどこかにいる

 

やや冷たい風が駆け抜けて 亜麻色の髪が揺れ惑う

金木犀の香りを残しながら

時は静かに過ぎてゆく


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