戦士
此処は何処だろうか
随分歩いてきたものだ
最初考えていたのより
きっと違う道を歩いてきたことに違いはない
それでも
随分歩いてきたものだ
この道は思っていたより
苛酷な道だ
それでも何とか道を見付けて歩き続けていられるのは
守護神の御加護があるからなのだろう
少しずつ 少しずつ
俺を器として流れこんできた
沢山の魂達を 想いを 願いを
この胸に抱きつつ
俺はただひたすら歩き続ける
地獄の業火に焼かれようと
深淵の谷底に突き落とされようと
カウカーソス山で肝を鷲に啄まれようと
この魂が朱々と燃え続ける限り
きっと…この歩みを止めることはないだろう
闇の荊に囲まれ
石礫の嵐にあい
手足を縛る灼熱の鎖を引きちぎり
血反吐を吐きながらも
死の底から何とか這い上がり
此処までこれたんだ
せめぎあう蒼い魂魄達の咆哮
言葉にならない激情が身体中を駆け巡り
悲憤の涙となって砕け散る
これで一体何度目だろうか
掌に残る焼きごての痕が葛藤の凄惨さを物語る
此処から先がどうなっているのか
山があるのか 谷があるのか 道があるのか
誰にも分からない
それでもきっと…
俺はこの歩みを止めないだろう
俺だけの真実が
俺だけの正義が
俺の中にあるから
恐れるものは何もない
俺の正義は誰のものでもない
俺だけのものだ
俺の意志を無視して
勝手に曲げられてなるものか
汚されてなるものか
俺が許さない
お前の魂も連れてゆく
お前も俺の正義だ
お前を独りにはしないから心配するな
安心して俺の中に居れば良い
後悔はさせないから
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