物語を考えてみました。

「さて、ここで私は次の物語を描こうと思うのですが、そのまえに感想をいただきましょうか。では、コウさんから」

「最後、死ぬとは思わなかった。驚いた」

「それは嬉しいです。では次―」

「魔王の扱いがひどすぎるとおもいまーす!」

「それは同感だね」

「あら、あなたたちは魔王二人組じゃないですか。ぶっちゃけ魔王なんてどうでもいいんですよ。魔王が勝つのはわかってるんですから。そうなると、必然的にお膳立てキャラになっちゃうんですよねぇー許してくださいね、二人とも」

「「あんまりだぁ!」」

「ちょっと! こんな魔王よりわたしでしょ! 序章にでてきたのになんで後半でてこないのよ!」

「あービジョさんはもういいかなと。私がなんとなくむかつくというのもありますし、けっこうきれいに幕を引いたのでもう魔王をたおしたあとのエンドロールで結婚式あげて終わりです」

「まぁ、たしかにそういわれると困るわね。でももっと」

「はいつぎー」

「余はまさに大海賊時代じゃ!」

「いや、ザンさんが大海賊時代になってますよ。ていうかどんな感想ですか」

「楽しかったって言いたいのよきっと」

「フリーズの言う通りピコ。あとあの本を裏返してくれてありがとピコ」

「ちょっとまってください。ピコさんの語尾をそのようなものにした覚えはありませんよ」

「こんにちは! ぼくオウマだよ!」

「オウマさんは存在していませんので出てこないでください」

「なんですかこれ? ていうか感想ですか? あ、フシギを殺したくなりましたよ」

「ややこしい人がでてきましたね。ちなみに第三章ではわたしがオカシになりました」

「それおかしくねぇ! いやぁ! やっと言えたぜ! 俺はセイギ! 本物の勇者だ!」

「本物は俺だ」

「なにぃ!」

「ここには本物も偽物ももうありませんよ。それより次回作はどうしましょうか」

「勇者が旅をする物語」

「恋物語もいいんじゃないかしら」

「「魔王が勝つ物語」」

「海賊王に、余はなるのじゃ!」

「育児物語もいいわね」

「本を読む物語」

「存在しないオウマの物語」

「フシギを殺す物語」

「おれつえー物語!」

「こんなにキャラがいると成り立ちませんね。まぁいいです。期待してなかったので。私は私が思うように自由に物語を紡いでいくことにしましょう」


 いつのまにか、フシギだけが一人そこに立っていた。


「それだけが私の生きるすべてなのですから」

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