第三章 幼馴染の恋が昇華するまで

第四十八話 登場人物と舞台紹介 その二

今回は第二章の登場人物と舞台を中心にご紹介します。(第四十七話時点)


◎登場人物紹介


・新田もも(にったもも)

物語の語り手。黒毛の二歳の柴犬。巻き尾。新田家での家庭内順位三位。神様に人見知り・犬見知りを直して善行を積んでくるよう、修行に出された。今世では新田家で飼われることになり、二回目の犬生を楽しんでいる。好きなものは散歩、食事、睡眠。得意なものは、お参りポーズと犬ダンス。陸くんと幼馴染の陽菜を奮闘の末、見事恋人同士にした。陽菜を命の危機から助けてくれたヒメ神様のお願いで初詣で巫女風の服を着たり、クリ〇〇スパーティーで鹿(トナ〇〇)の役を引き受けたりなど、地道に貢献している。ユリノキつつじ祭りでは正体不明の何者かに魔道具で拉致されそうになったがヒメ神様に救出された。


善行レベル:十二

スキル:危険察知、人語理解、霊感、動物会話、怪我治癒(小)、記憶操作、透明化、瞬間移動、分身、夢見


・新田陸(にったりく)

本作の主人公。地元の私立中学校二年生。新田家での家庭内順位一位。幼馴染のヒロインのことを秘かに想っていた。看護師だった母親の影響か、緊急時の決断力は凄いが、ヒロインの好意を素直に受け止められない、鈍感なところがある。かんな山でのヒロインの遭難をきっかけに、ヒロインへ恋人になって欲しいと告白。恋人同士となった一年後のホワイトクリスマスの夜、ヒロインとファーストキスを体験した。


・大和田陽菜(おおわだひな)

本作のヒロイン。陸と同じ私立中学校二年生。暫定だが新田家での家庭内順位六位。背は主人公より少し低いが、彼女が歩くと、振り返る男の子が多いため、可愛い部類に入る。文武両道だが胸が小さいのが悩み。最近は花嫁修業中(?)で和洋の料理も得意となった。かんな山での自身の遭難後、主人公からの告白を受け入れ、恋人となった。


・新田結衣(にったゆい)

主人公の妹。小学校六年生。新田家での家庭内順位四位。少しおっちょこちょいなところもあるが、心優しい少女。新田家のムードメーカーであるが、宿題は後回しにしがち。陽菜のことを慕っており、将来的にお義姉ねえさんになってもらいたいと思っている。食いしん坊同士相性が良いのか、ヒメ神様が神懸かみがかりする際にしろとなっている。


・ヒメ神様(ひめがみさま)

緑の丘の土地神様。五穀豊穣ごこくほうじょうのほか、復縁ふくえんのご利益りやくを授けられる。ヒメ神社の復興に貢献したももの求めに応じ、主人公とヒロインに復縁の神通力を使った。霊体で人間の身体に乗り移る神懸かみがかりを行うことが可能。神社の清掃活動を行う信仰心の厚い子供たちを招いてクリ〇〇スのパーティーを開催した。


・高野美咲(たかのみさき)

日本犬、主に柴犬に関する楽しい特集や飼い主宅への訪問記事、それに日本犬の健康管理方法などが紹介されたペット雑誌を隔月で出版している『Shiba-Inu(シバイヌ)』編集部員。取材を通じて柴犬ももの隠された秘密を知ったが、個人的な目的のために事実を隠蔽いんぺいした。七夕飾りに「胸が大きくなりますように……」と書いたのをももに目撃された。(詳細は『高野美咲は使い魔が欲しい』を参照)


・島さん

栄養学を学ぶ洋和女子大生。緑の丘蕎麦の会と共同でそばメニューを開発するため、知り合いの陽菜の家でそば打ち体験&変わり種蕎麦の試食会を開く。


・尾崎さん

ちーき新聞の若手記者。(第八話で)もものお参りポーズを取材。この取材をきっかけに地元の由緒あるヒメ神社を見直そうという機運が高まった。


・尾崎父

昔自衛隊に勤務していたが、今は防衛省に勤務している恰幅の良い壮年男性。面倒くさい部下が職場に持ってくる日本犬雑誌の『Shiba-Inu』を愛読しており、と高野美咲の裏事情を知っている。(詳細は『高野美咲は使い魔が欲しい』を参照)


◎舞台紹介


・緑の丘

新田家が住む街。別名グリーンヒルとも呼ばれる。

その名の通り、野菜畑や果樹園、それに牧場など緑が多い街である。


・ヒメ神社

緑の丘にある五百年以上も続く、由緒ある神社。土地神としてヒメ神様が奉られている。境内は子供たちの遊び場となっている。


・ユリノキつつじ祭り

ユリノキ通りの沿道に約二キロにわたって植えてあるつつじの花を楽しみながら、多くの住民が交流する場。道路には飲食やフリーマーケットの模擬店がたくさん並んでいる。


・緑の丘ふるさと祭り

昼は音学祭やよさこい演舞、盆踊りに灯ろう流しなどが行われ、夜にはメインイベントである八千発の花火が打ち上げられる。田舎なのでそんなに打ち上げ数は多くないものの、過去には大物女性歌手がお忍びで来たこともあるらしい。


・緑の丘蕎麦の会

地元のお蕎麦屋さんが地産地消ということで地元の蕎麦粉を使って、数年前から栄養学を学ぶ洋和女子大生と緑の丘蕎麦の会が共同開発したそばメニューが有名。新蕎麦が収穫される十月下旬から十一月上旬にかけ、変わり種の蕎麦メニューが毎年限定メニューとして提供されている。


・黒澤池のたたら祭り

西暦百年代(卑弥呼が活躍していた弥生時代)の古墳があり、黒澤池の近隣で見つかった置塚遺跡も国内最古級といわれる古代製鉄遺構と言われる。この遺跡は古墳時代初頭(三〜四世紀)のもので、遺跡から製鉄炉跡が発見され、専門家の間で注目を浴びた。日本で鉄器が使用され始めたのは紀元前四世紀ごろ。その後、自国で製鉄をするようになったのは六世紀ごろからと言われているため、三〜四世紀の遺跡である置塚遺跡から製鉄遺構が発見されたのは歴史的にも重要。

 十一月は鍛冶・鋳物師・たたら師・白銀屋など、火を使う職人が神様を祭り、道具を清める「ふいご祭」が全国各地で行われる季節でもあり、製鉄をテーマにした祭りが開催される。また当日は和・洋鍛冶の実演や体験、古代製鉄再現実験や製鉄文化の学術的解説も行われている。


【読者の皆様へ】

次回からいよいよ第三章の本編が始まりますが、作品フォローや★レビュー評価、応援、感想等を頂けると作者の更新モチベーションが高まりますのでぜひよろしくお願いします。

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