Serial'1911

Scene.007

 Serial'1911


 赤く染まった楓が石造りの街を彩る。

 ひらひらと舞う落ち葉は、灰色の街の中をそよ風と共に流れていく。パタパタ、と石畳を走る足音が響いた。秋色の季節を纏った街はどこかノスタルジックで。薄曇りの空から降り注ぐ、やわらかな陽射しは何もかも許してくれそうだった。

 そう、何もかも。

 今から犯す罪さえも……。

 赤い髪が風と踊る。彼はシグアームズGSRの銃爪に人差し指を架けた。

 口笛でメロディーを奏でながら。

 秋空の澄み切った大気を、一発の銃声が引き裂いた。後に残ったのは頭を撃ち抜かれた幼い男の子の死体と、赤い髪の殺人者のみ。

 紫煙を吐き出し、悲痛な薄笑いを浮かべて呟いた。

「すまない」


 これにて、了。

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