10年

 あの日、僕は、切なさ、儚さ、虚しさ、悔しさ、尊さ、、、、思いつく限りの感情を学んだ。千早という、一つの光のおかげで。

もちろん、泣いた。泣いた。ずっと泣いた。自分と葛藤して、悔やんで悔やんで泣いた。死にたいと思うことも、多々あった。そう思わせたのは千早で、でも、とどまらせたのも千早だ。自然の脅威を目の前にしたこの街は、前へ前へと進んだ。それが、街の人々の思いで千早の思いだと、思っている。

僕はもう、この街を離れる。思いも、想いも、感情も全て残したまま。

あの日夕日が、僕を照らした。後ろでは僕の影が黄昏ていた。明日は快晴か、

千早。

じゃあね。

さようなら。

僕は、決してこの街の、この風情を忘れない。そして、千早も。

会えてよかった。

明日の快晴が僕を待っている。

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快晴 にょむ @nyomu

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