第3話

 そんな日々を変えたのも千早だった。誕生日だった。僕の、6月10日。世間では敬老の日らしい。念願だったスマホを手に入れた。他の友達はすでに持っている人が多かったから、本当に羨ましかった。早速、宏道が家に来て、LINEをもらった。

「千早のLINEほしい?ww」

「まぁ、、そりゃ」

口では話せないこともLINEが変えてくれる。そう誰が言ってた。

千早:スマホ買ってもらったの??

僕:うん!誕生日だしね。

千早:よかったじゃん!!!誕生日おめでとう!!いい一年にしてねっ!

僕:ありがとう!!

千早:さ、

僕:どした?

千早:私のこと避けてない??

僕:え、全然そんなことないと思うけど、、

千早:じゃあいいけど、最近冷たいなぁーって思ったから

僕 :いや、絶対にそんなつもりはない!

千早:じゃあ、よかった

僕:良かった?

千早:うん!だって君は唯一の幼なじみなんだから!

僕:ありがと、ニヤ

千早:おい!こんなんでにやけるなぁ!

僕:笑笑

千早:じゃ、私風呂入ってくるわ。

僕:オッケー、また明日

千早:おやすみーー

僕:おやすみー

良かった。本当に良かった。嫌われてなくて。避けられてた訳じゃなくて。まぁ、あっちもそう思ってたらしいけど。

いいでしょう!!今日は100点満点の日だ!

 そして、目の前の壁が崩れ、新たに階段が出来た。

 あの空へ続く長い階段が。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る