人間国
第39話 神様の声
僕は壁の上から、落ちているときに、そんな走馬灯を見た。ドスンと鈍い音がして、一瞬、体に鋭い痛みが走った。そして、そこで意識が途切れた。
人々は、ガルイのまわりへと集まってきて、光で照らした。人々は怖がった。
「ガルイ……?」
「……」
「ガルイ、ねぇ、ガルイ! しっかりしてよ!! 目を開けてよ!!!」
「お嬢ちゃん、触るんじゃない!」
「か、彼は、私の友達なんです!!」
リアナは、ガルイの上へと泣き崩れた。
そして、そこで急に声が聞こえた。
「あー、あー、あー、あー! つまらない! つまらない!!」
見渡しても、声を発している者はいなかった。人々は空を見上げた。神様だった。
「あの人狼とその子供の違反と、今回で二回目。最初はどうするのか、様子を見ていたけれど、私をけなしたのと、すぐに子供を帰さなかったから、罰を与えた。今回で二回目。しかも棄権。私をなめているとしか思えない。だから、罰として壁の上から落とした」
「……っ!」
「もう、こんなつまらないゲームは空きました、いりません」
そう言って、声は途切れた。すると、次第にガルイの耳やしっぽ、爪が消えていき、壁も消えた。そこで、初めて、人間たちと人狼たちは顔があった。
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