禁断の恋のお話【終】⇧人狼国・人間国⇧

第38話 駆け落ち

俺たちは、「ガルイ」と名付けた。人狼国では、男の子の名前の最後に「イ」をつけるという掟がある。


そして、リアナのことについて聞いてみた。リアナは、彼女が見つけた子供らしい。うろうろと一人で彷徨っていたところを、彼女が保護したらしい。その子の親を見つけようとしたが、結局見つからなかったらしい。


「一応、ガルイの姉だな」

「そうだね」



俺たちは、ある決意をした。俺たちは駆け落ちすることにしたんだ、しかも子供たちを置いて……。


俺のことはバレつつあった。俺たちの関係は禁断の恋であったから、俺と一緒に連れて行くと、危険が及ぶことは目に見えていた。

俺たちは、子供たちにあたたかい恰好をさせて、大きな箱に入れた。そしてそれを外に置いた。


「ごめんな……ごめんな……」

「ごめんね……」

「ママ……? パパ……?」

「……」

「ガルイ、リアナを頼んだぞ」

「……パ……!」


そして、俺たちは深い森へと向かって、歩いて行った。奥深く、奥深く、誰にも見つからないように。


僕とリアナは、しばらく箱の中にいてたけれど、リアナは外に行ってしまった。僕は止めようとして、外に出ようとしたけれど、その時にあるおばさんがリアナを連れて行ってしまったんだ。そして、しばらくして、僕もおじさんに拾われたんだ。


僕はお父さんに言われたことだけは、ずっと覚えていた。だけれど、リアナの方は僕のことは忘れたみたいだった。だから、僕は陰ながら、リアナを守っていたのだった。


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