人間国

第22話 奇跡のトポルガン

「大丈夫か!」

「んん……」


俺は、軍の一人に起こされて目を覚ました。


「っ……」

「大丈夫か? どこか痛むか?」

「はい……」

「向こうに血だまりが出来ていて、血だらけの剣が落ちていたが、あれはお前のか?もしかして人狼と戦ったのか!?」

「はい……」

「片耳は切ったのか!?」

「いえ……娘をかばった妻が殺されて心臓を持っていかれました……」

「そうか……」


その場で俺は俺、手当てを受けた。そして近くの人々が連れてきてくれた娘と会った。


「あ! パパ!」

「……」


そして、知人に病院に送ってもらったのだった。


「人狼に投げ飛ばされたのに骨折していないなんて奇跡ですよ!」


医者にそう言われたが、正直、俺にはどうでも良かった。

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