第17話 小さい女の子
足早に歩く中で、俺は誰を殺すか考えていた。今のところ住人は誰も見当たらない。どこにいるのだろうか? 家の中か?
「うえええーんっっっ!!!」
耳が反応した。遠くから子供の泣き声が聞こえる。泣き声の聞こえた方に行ってみると、遠くに小さな子供が見えた。おぼつかない足取りでこちらに向かって走ってきている。それは小さな女の子だと分かった。俺はこの子供を殺すことに決めた。女の子は後ろを気にしているようで、前を見ていなかった。俺の目の前に来て、視界が暗くなったことに気が付いた女の子は、そこでようやく立ち止まった。驚きも混ざり、グチャグチャに泣き崩した顔で俺を見上げていた。俺は手を振り上げた。
「え……?」
「やめててててててっっっっっ!!!!!!」
「!?」
振り下ろした手と同時に若い女の人が俺とその女の子の間に入ってきて、そして、気づいたときには俺はその女の人を思いっきり殴っていた。
「ぐっは……」
バタンッ
街灯の明かりで、鈍く光る大量の血は、どんどん地面に広がっていた。
「マ、マ……?」
「何してんだあああっっっ!!!!」
少し離れたところに街灯に照らされた男が防具を身に着けて武器を持ちながら、立っていた。男は鬼のような形相をして、怒り狂っていた。それはトポルガンだった。
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