時は遡る【始】⇩人狼国⇩

第14話 選ばれた人狼―ムールイ

月曜日。


「今回は俺か……」

「パパ、頑張ってね!」

「おう!」


俺は、テルイの頭をクシャクシャと撫でた。


「もう、パパー! グチャグチャになったぁーー」

「ははは」


七歳になったばかりの息子を見て、時はこんなにも早く過ぎ去るのかと、俺は心の中で思った。



日曜日がやってきた。


「うわぁ、耳! 尻尾! 凄いね!! 僕もいつかパパみたいになれる?」

「ああ、神様に選ばれる時、パパみたいに強かったら、お前は必ず【真の人狼】になれるよ」

「やったー!」


喜ぶ息子を俺は微笑ましく見つめていた。



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