第7話 日曜日 昼
準備が終わった僕は、夜になる前にリアナに会いに行った。日曜日になればいつもしていることだ。リアナも僕が来ることを楽しみに待ってくれているみたいだから、僕は彼女に会いに行くのを決して忘れはしない。それに、あんまり考えたくはないけれど、もし僕が殺されてしまったとき、「最後にリアナに会うことが出来ずに死んだ」「最後に会いたかった」なんて思いたくないんだ。
リアナの家に着いた。リアナは、いつものように玄関で待ってくれていた。お互いに顔を見合わせてニッコリしあった。
「リアナ、準備は万全か?」
「うん、大丈夫。ガルイは?」
「僕も万全だ。お互い気を付けような」
「うん」
「諦めない強い心を」
「諦めない強い心を」
「諦めない強い心を」―これは僕たちが、ゲームの前に、必ず人々の間で言い合う言葉だ。人々は信じているんだ。これを言うことで団結力が強くなって僕たちは挫けないのだと。嘘でもいいから、それを信じていないと人々は挫けてしまうんだ。なぜなら、僕たちは殺される被害者にもなりうるし、殺す加害者にもなりうるのだから。そうでなくても、それを見る傍観者になりうるかもしれないのだから。どの立場になっても僕たちに悲しむ時間なんて神様は与えてくれないんだ。僕たちはどちらの住人であれ、誰かが亡くなっても、すぐに次のゲームに備えなければいけないのだから。
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