十話 さあ、花火対決よ〜!
ホテル内〜
「はあ〜、疲れた〜」
バタッ
ソニアはベッドにダイブした。
「でも、休んでる暇は…」
「そうだよな、花火だよな」
「な〜、花火って結局なんなんだ?」
「昨日の夜、ライキさんが寝ている間に花火が上がっていましてそれを見ていたら私たちで能力とかを使って個人の花火を作って競おうってことになったみたいでして…」
「まっ、そういうこと」
「へ〜、面白そうじゃん。準備って、まずは花火が必要なんじゃないか?」
「花火ってまずどこに売ってるんだ?」
「あっ、それなら」
ギュイン
何もないところから空間の裂け目が出てきた。
ゴソゴソ…
ギュイン
「グー…」
「オリズさーん、いますか〜?」
シーン…
「ホーミング弾で起こしましょう」
パチン!
「アババババ!」
鼻提灯が割れたと共にオリズが飛び起きた。
「ん…ってリナ、何してるんや!?」
「ここに余り物の花火ありましたよね?」
「まあ、あることにはあるんやけど…」
「じゃ、それ渡してもらって良いですか?」
「ちょっと待っとってくれよ…」
「うーん…あ、これだ」
「リナ、はい、花火や」
「ありがとうございます」
ギュイン
「ったく、驚かせやんといてくれよ…グガガガ…」
「はい、花火です」
「えっ、何その魔法…」
「これは、空間を切り裂いて別の場所と繋ぐことができる魔法です。これで私のお店の空間と繋げてそこから持ち込んできました〜」
「なんでも出来るのね…流石、他の人より格上なだけあるわ」
「アンデッド且つゴーストです」
「見た目が人間だったらそんなのどうでも良いわよ!」
「で、この花火ってどう使うんだ?」
「説明書読みますね。どれどれ…ご使用前に一つ、火をつけないでください。大爆発します」
「は?」
「二つ目、闇属性の魔力を込めると大暴走します」
「え、今なんて?」
「三つ、雷や風のような魔法を使うと花火自身が嵐となって襲い掛かります…らしいです」
「らしいです…じゃないわよ!アタシ達の属性全て、何かしらの害が起きるじゃないの!」
「強いて言えばリナさんぐらいじゃないか?この花火使えるの」
「ほう、そんな事なら俺に任せろ〜」
「カーマ。一体何する気だ?」
「ふふーん、ちょっと見てろよ〜」
ビャーン!
カーマの右目が紅く光った。
「これで大丈夫なはず。ささっ、自由に花火大会しようぜ!」
「カーマ何したんだ?」
「それはな…花火自体の魔力を下げてやったんだよ」
「え?」
「いや、ユウらの魔力を下げちゃうとド派手な花火とかが出来ないから、逆に花火の魔力を下げてしまえば魔法に対抗する力が無くなって上手く順応すると思ったのさ」
「へ〜カーマって復活魔法以外にデバフ付与も出来るのね〜」
「よーし、被害が出ないところで始めるか〜」
「うーん、この辺りっぽいわね…」
ソニアがホロフォンで場所を探している。
ピコン!
「ここね、ここなら花火ができそうだわ。ほら、他の人も何人か花火をしてるわ」
「では、皆さん一つずつ花火を持ってください。私はこれにしますね」
「私はこの細いので」
「アタシはこれかな」
「じゃ、オイラこれにする」
「俺はこれかな」
紺、緑、赤、黄、青それぞれ自身のイメージカラーと同じ花火を選んだ。
「カーマはしないのか?」
「え、俺か?俺は攻撃魔法が使えないからな。ユウ達から少しずつ魔力を分けてくれるなら出来るけど…」
「私達は別に問題ないですけど。ね、皆さん」
コクッコクッ
皆頷いた。
「でも、魔力ってどうやって供給するんだ?」
「ま、じっとしていてくれ」
ガシッ
『!!?』
ギュイーン
「あ…あ…」
「よし、これぐらいで良いかな。魔力供給ありがとな…って」
「…はあ」
「ちょっと、魔力吸いすぎじゃないですか?皆倒れてますよ」
「魔力が高めのリナ以外は倒れている」
「……少し寝てしまいました。あれ、皆寝てますね」
カナが目を覚ました。
「カーマ、一体どれぐらいの魔力を吸ったんですか?」
「あ〜ちと、吸いすぎてしまったかもしれない。すぐ戻すよ」
ガシッ
ギュイーン
「ハッ、俺寝てたのか!?」
「うーん…」
「ふわ〜あ…」
「皆、目を覚ましましたね」
「ちょっと、これ一体どういう事?」
「ちょっとカーマさんが魔力を吸いすぎてしまったみたいで、それで皆さんダウンしていたんですよ」
「ちょっとのレベルじゃないだろ。カーマのちょっとはどれぐらいなんだよ…」
「す、すまねえ…」
「でも、これでやっと花火が出来るわね。で、誰からする?」
「じゃ、手本がてら私がしてみますね。それっ」
冷気と闇の魔力を花火に溜め、その後に闇の波動のようなものが混ざった花火が出来た。
「わあ…綺麗ね」
「まあ、こんな感じで魔力を花火に込めて放つ感じです」
「じゃあアタシも!これで良いのかな…」
ボボボボボ…
「よーし、それっ!」
ヒュー
「それから…」
花火と共に所持している複数のボムを上空に投げた。
ボン!バチバチ…キラキラ…
炎の渦を纏いながら多くのボムが弾けゆっくりと落ちた。
「どう?アタシにしては上出来じゃない?」
「す、凄い…オイラも!」
ビリビリ…
「よーし、えいっ!」
ゴロゴロ…ドッカーン!バチバチ!
エレクトロンで花火をかち割り、豪快な音と共に広範囲にわたって稲妻の走る花火ができた。
「ちょっと派手にやりすぎたかな」
「他の花火よりデカくて迫力あるな〜よーし、次は俺だ」
闇の力を溜めた。
「ほいっ」
「ドレインスラッシュ」
ザシン
バチバチバチ…
ダーク感漂う紫がかった青色の花火が次々に破裂した。
「ふむふむ、皆センスありますね〜では、そろそろ私もしましょう」
風の魔力を込めると辺りが少し涼しい風が吹いたように感じた。
「そろそろ良い感じですかね。それっ」
「!ハリケーンブレード!」
ビュー…キラキラ…
風で火花が回転し宙に浮きながら光る花火ができた。
「お〜、幻想的だ。美しい」
「割と、上手いこといきましたね」
「最後はカーマか」
「見ておけよ〜皆から吸った魔力で最高の花火を作ってやる」
色んな魔力が込められ、花火が虹色に輝いた。
「これなら最高のが出来るはず。おらっ」
全属性の特徴を全て扱った、カオスな花火になった。
「す、全ての属性が混ざって独特な花火になっている…これは面白いな」
「うーん」
「結局、皆作るの上手くて一番が決まらないわね…」
「そうですね、でも一番が無いってことは私達皆一位ってことで良いんじゃないですか?初めての花火でしたし、今回は精一杯楽めましたので」
「そうだな、また機会があったらしてみよう。結構楽しかったし」
「そういえば、オイラ達って明日帰るんだったよな?」
「ああ、そうだけど」
「それなら帰る前にこの街に潜む、マグマドラゴンにだけ挨拶しに行ったほうが今後のためにも良いと思うぜ。この前解放したカオスドラゴンから…」
【「冒険者達よ、我が暴走に巻き込んでしまって本当にすまない。私から一言、私はゴースト達により最上階にいると親切に書いてあったが他のドラゴンはそうではない。操られている場合、知らない顔のものを見るとナワバリ意識により、片っ端から排除しようとするドラゴンばかりだ。一度挨拶に行くと良い。そうすれば、解放後にも襲われる心配は無いだろう」】
「って、ユウが死んでる間に聞いたんだ」
「へ〜、俺がノアと話している間にそんなことが…」
「ん、ノア?ちょっとそのノアってあの生の神様じゃないわよね!?」
「え、銀髪で神様って名乗ってた人だけど」
グイッ!
「何、呼び捨てにしてるのよ!」
胸ぐらを掴んで揺らされた。
「違うんだ、これには訳が…」
「へ〜、本人からそのようなことが。でも信じ難いわね。神様が呼び捨てを要求するだなんて」
「だよな、俺しか知らないんだもんな…あ、そうだ。ノアが、カーマは相変わらず変わらないわね。だってさ」
「……!あの奴…」
「なんか昔あったらしいけど何かあったのか?」
「いや、なんでもない」
「ふーん、まっ、花火も無事作れたことだし、ホテルに帰ってゆっくりしよう」
「あ、待ってください。そこら辺に散らばった花火の破片を処分しないと…」
「そうだったな。ささっと拾おう」
30分後〜
「これで最後かな」
「ふう、疲れた〜」
「これらはどう処分するんですか?」
「それは、こうしまーす」
ギュイン
また空間の裂け目が現れた。
「ここからオリズさんを取り出しまーす」
グイッ
「イタタタタタ!」
痛がっている様子を見せながら、空間の裂け目からオリズが取り出された。
「な、なんや。ワイを空間から取り出して!」
「オリズさん口を開けてください」
「ん?アー」
ガラガラ…
『!?』
「ッ!…!」
「どう見ても、もがき苦しんでいるようにしか見えないんだが…」
「ゼェゼェ…ったく、ワイに花火のゴミを食わせるだなんて…困ったやつやな…」
「てか、オリズの口の中ってどうなってるんだろう?」
「ワイか?ワイの口の中は空洞だ。それを知っとるリナはワイの口の中に花火のゴミを入れたんやろな。まあ、ワイは何か食べないといけないところだったからちょうど良かったんだけどな」
「オリズって食べ物以外も食べれるのね」
「なので、他のペットとは違ってかなり飼いやすい方かと」
「わ、ワイをペット扱いにすな〜!」
「では、ゴミ処理を終えたのでオリズさんには帰ってもらいましょう〜」
「…ふぇ?」
スッ
リナさんがオリズを軽く持ち上げた。
ギュイン
「では、オリズさん。明日には帰りますので、もうしばらくだけお店お願いしますね〜」
「ギャアアアアア!」
ギュイン
「では、帰りましょうか」
『は、はあ…』
(こ、これは怒らせちゃいけない人…いや、ゴーストだ)
「正確にはゴーストとアンデッドのクォーターですけどねっ」
ニコッと微笑んでこちらを見た。
(読まれてる〜)
ホテル内〜
「今度こそ〜」
バタッ
「はあ〜このベッド、凄くふかふかで落ち着くわ〜」
「先に風呂行くけど誰か先に行く人とかいる?」
「なら、私も行きますよ。早く寝たいですし」
「えっ」
「カナ、やめといた方がいいわ。男女二人きりで入ると何かしらやらかすわよ」
「なんだよ、その偏見!?」
「いや、私はユウと話さないといけないことがあるので…」
「何それ?隠し事?」
「隠し事です」
「隠し事なら堂々と言わないでしょ。そんな人、初めて見たわよ」
「じゃ、行きましょ。ユウ」
「あ、ああ…」
恐る恐る、ソニアの顔を見てみた。
(………怪しい)
「ヒッ!」
ガチャッ
「では、私がタオル巻くまで後ろ向いててくださいね」
「わ、分かってるよ」
「はい、今度はユウが着替える番なので私が後ろ向いてますね」
「あ、ああ」
「………」
「そ、そんなに怪しいか?」
「怪しいに決まってるじゃない。ここのホテルの温泉、噂によると夜に怪奇現象が起こるんだってさ」
「え、ユウがやらかすとかなんとか言ってなかったか?」
「あ、それはユウをからかっただけ。本当は二人がそれに巻き込まれないか心配なのよ」
「……なーんだ、ツンデレか」
「なんでそうなるのよ」
夜の大浴場〜
「わあ〜明かりが灯って、霧が出ていて良いですね〜」
「なんかこういう所で風呂に浸かってのんびりするの良いよな〜…で、その話っていうのは」
「あっ、そうでしたね…まっ、まずは温泉にでも浸かりましょうか」
「そうだな、露天だから少し寒いし」
ポチャン…
『ほ〜』
「あったかいですね〜」
「本当だな〜疲れが癒やされる〜」
「それで話なんですけど…」
「うんうん…」
「あの二人大丈夫かな」
「大丈夫だって。あの二人なら戦闘力もそこそこ高い方だろうし、なんとかなるはず」
「だったら良いんだけど。助け舟のリナさんがお酒飲んで寝ちゃってるからなあ」
「ふぁ〜そんなに取らないでくださいよ〜私の分が〜」
「夢の中でも飲んでるし…」
「へ〜魔法使いにはそんなのがあるんだ。それって難しいんだよな」
「まあ、難しいですね。でも、また違った難しさなんですよね。それにはユウの力が必要なんです。そしてこれは対象者以外には秘密にしないといけないという暗黙のルールがあるんです」
「だから俺と二人きりで話さないといけなかったのか。まっ、俺にできる事なら頼ってくれ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、俺先に体洗ってくるわ」
「分かりました〜」
ジャー…
(うーん、俺にしか出来ないこと…それって、なんだろう)
「ただいま、次どうぞ」
「じゃ、洗ってきますね」
カナが温泉から出た時…
ゴー…
「なんか風が強くなってないか?」
「本当ですね。今日は雲一つない晴天なはずなんですが…」
ガン!
「ふぁっ!?」
「い、今のって…」
「ま、まさか。そんな事…」
ヒュー
ベンチなどが浮き始めた。
『あわわわわ……いやあああ!』
スルスル…
「あっ、待ってタオルが!」
「やばいやばい…」
逃げようと走りかけた時、二人とも巻いていたタオルが落ちた。
『いやあああ!』
「ちょっと、何!?」
「風呂場からか!?」
「ほら、言ったじゃないの!助けに行くわよ」
「分かった」
ガチャッ
「二人とも大丈…夫?って何してんの!」
ソニアはそれぞれの柱に隠れている裸の二人を見て少し怒り気味だった。
「いや、違う。これは後ろのやつが!」
「う、嘘つくんじゃないわよ!」
「本当です!向こうを見てください!てかその前に服ください!服を!」
ヒュー
「な、何あれ!?」
「リナを呼んでこよう」
ソニアは、呼びに行こうとするライキの腕を掴んで止めた。
「待って、今リナさんを起こしたら…」
とある思い出が込み上がる。
【「リナさん、起きろおおお!!」
「ひいいいいい!!」
カチン】
「…なんてことになるじゃない!」
「どうやらオイラ達で対処するしかないようだな」
「てか、カーマは?」
「ユウ、カーマを呼んで」
「え、呼ぶと左腕の魔力操作が効かなくなるんだけど!?」
「戦うにはどうって事ないわよ」
「…カーマ〜」
「ん、どうした?てか、なんで裸なんだ?」
「それは後で話すわ。ともかく、あれはなんだ!?」
「あれか、あれはゴーストだな」
「え、ノーマルの?」
「ああ、この前戦ったポイズンゴーストとかの原種だよ」
「それって、強いのか?」
「はっきり言うわ。俺達なら勝てん」
「…なら良かった…って今なんて言った?」
「俺らじゃ勝てんって言った。原種の方が圧倒的にだな…」
「オロロロ!」
「やばいわよ、この場所壊れたら絶対弁償しなきゃいけないじゃない!攻撃を避けるのもダメなんじゃ…」
「浮遊魔法が使える人がいたら…」
「やっぱ、リナ呼んでこいって」
「ダメだって!凍らされる!」
「なら…リナを持ってきて」
「え?…分かったわ」
「ついでに私達の服も!」
シュン
「はいっ、持ってきたわよ」
服を片手に、リナを片手で担ぎながら持ってきた。
「スー…」
リナはぐっすり寝ている。
「さ、ソニア。思いっきり起こすんだ!」
「なんでよ!」
「ここで凍らせればきっと」
「…そっか!なら…リナさん、起きろおおお!!」
前の時のように胸ぐらを掴んで思いっきり揺らした。
「ひいいいいい!!」
カチン
「オロ…ロ」
(皆、凍ってしまった)
(でも、なんとかゴーストを凍らせることはできたわね)
「…ハッ!すみません!今すぐ戻しますね」
(え、ちょっと!)
凍結魔法が解けた。
「皆さん大丈夫…?」
「リナさん、うし…」
「オロロロロ!!」
「ちょっと黙っててください」
ジャリン!
シュー…
一瞬で倒してしまった。
『は?』
「大丈夫でしたか?」
「ああ、なんとか」
「リナさんの、突然起こされたら周囲を凍らせる魔法をゴーストに有効活用としようと思ったのに」
「あ、それはすみません。それで、ゴーストは何処に?」
「はあ…リナさんが一瞬で消しちゃったわよ」
「私、いつゴーストと戦ったのでしょうか?」
ゴーストがいたことも全く気づいていないようだ。
「なんか、肌寒くなってきたわ」
「なら…」
ポチャン
「結局皆で入っちゃいましたね」
「まあ、これもたまには悪くないかも…あのさっ、ユウ」
「ん?」
「さっきは、何かやらかしそうって言ってごめんね。あれ、本当はからかっただけなの。本当はここ、夜に怪奇現象が起こるって言われてたから心配で…」
「いや、大丈夫だよ、言われても言われなくてもそんな事はまずしないし」
「…許してくれてありがとう」
「なな、サウナ行く人〜」
「はーい!」
「あっ、俺も」
「なら、私も」
「昨日はサウナ入りませんでしたし、私も行きましょうかね〜」
「結局、皆じゃん」
「おっ、サウナ行くのか?なら、俺も混ぜろよ〜」
カーマは珍しく上裸だった。
「カーマも行くのか?」
「おうよ、そのために服脱いできたんだからさ」
「サウナの席は早いもの順よね?なら、お先に〜」
シュン
「あ、ちょ!」
「ま、待ってくださ〜い」
「まあ、まあ。焦らずに」
「ユウ、置いてくぞ〜」
「あっ、待って…やれやれ」
(異世界生活ってこんなので良かったのかな。まっ、皆幸せそうだしいっか)
「ユウ〜早くしないとドア閉めるわよ〜」
「すぐ行くよ〜」
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