三話 カオスな戦い!

「ファントムでも結構強かったのにカオスドラゴンなんか相当強いんだろうな。」


「強いですが、倒すのではなくあくまで解放なので真の心をくぼみにはめ込むだけです。ですが、暴走しているので全ステータスが2倍になっていますが…安心してください。私達がついてますから」


「ありがとう」


四階〜


「ギャオーース!」


「普通でしたらテレパシーで喋るはずなのですが、暴走していますね」


「カオスドラゴンのステータス、HPが…えっ、無限!?」


カーマが分析してくれた。


「マジか…」


「後、攻撃力が通常5万だが、10万になっている」


「ヴァースが攻撃力7万だからヴァースより強いのか。俺の攻撃力は2万8000、歯が立たねえ。皆の攻撃力は?」


「アタシは2万」


「私の魔法攻撃力は2万2000です」


「オイラは3万」


「ぎりぎり10万か。なんとかなるのかな…」


「ギャオーン!」


ドッガーン!


「地割れか!?」


ボボボボボウ!


(割れた地面から…紫の炎か!?これでは近づけない)


「!プラズマバインド!」


ビリビリビリ…


「麻痺した。でかしたライキ!」


「ちょっと待て。なんか様子がおかしい」


「ん、どうしたカーマ?」


「グルアアアアア!」


(掻き消された!?)


バーン!


「破壊光線か、皆!避けろ!」


ザザーン!


「うわああああ!」


ドガーン!


壁に直撃した。


「ユウ!…俺は復活魔法をかける。皆は真の心をはめ込んでくれ!」


「分かった。皆、倒さないように…行くぞ!」


「あれ。動いていなくない?」


「…分かりました!ソニアが持ってきていたあの本の中にちらっと書いてありまして…」


そう言うと、本を取り出しページをめくり始めた。


「ありました!破壊光線は威力が高すぎるため、使用すると一定時間動けなくなる、ドラゴンだけが使える技なんですよ!」


「なら、今のうちに行動すれば!ソニア、任せた!」


「分かったわ」


シュン


「そーっと…そーっと」


カチャ


「やったー!解放完了よ!」


「やりましたね!」


「今日はご馳走作るぜ!」




一方死人ユウは〜


「死人言うなあ!事実だけど…」


「やっと目が覚めたみたいだね」


起きた先には、身長は低めで二本の青い変わった形のツノが生えている少女が立っていた。


「…貴方は?」


「私は〜なんというか…うーん…なんて言えば良いだろう…」


「そんなに、考える程なら無理に答えなくても…」


「…そう、あーしは女神だ!」


「随分と省略したようで…で、あなたは誰ですか?」


「あーしはノア。創造の神の者だぁ」


「で、ノア様」


「いいよいいよ。そんな敬語使わなくても。あーしは死人の来世を導くような者なの。まあ、君の国で言えば閻魔大王様みたいな感じね。あーしは死人が最後は楽でいられるようにお互い敬語なしの対等な立場で話そうって決めてるの。いろんなことを私は死人から教えてもらったし、向こうも私のことを知ってくれたしお互いにwin-winなのよ」


(神にタメ口は少し抵抗あるけど…)


「ノア様…じゃなくてノアが座っているその椅子は何?」


「あーこれ?これは椅子の形してるけど、あーしのペットのアルファロン。全身呪いの化け物だし奇妙だけど、個人的にはお気に入りの子なんだ。そうだ!アルファロン、ユウに挨拶して」


「オー…」


大きな体に怪しく輝く目。見た目が少し、ヴァースに似ている。


スルスルスル〜


「うわっ、何これ!?」


沢山の腕が俺に巻きつきハンモックのようにゆらゆら揺らした。


「久しぶりの死人でちょっと嬉しいのかもね。アルファロン、その辺にしてあげて。ユウもびっくりしちゃってるから」


「オ、オー…」


もっと遊びたかったのか悲しそうに手を離す。


「…ユウって左手がアルファロンと似た感じの腕よね」


「ああ、これは能力としてカーマが…」


「…!?今、カーマって言った!?」


「うん。そうだけど…どうかしたか?」


「いやいや、カーマとは昔からの長い付き合いなのよ。で、カーマとは一緒にいるの?」


「もちろん。背後霊として一緒にいるよ」


「お〜いユウ。もうこっちに来れるぞ!」


「分かったカーマ。もうそっちに戻る」


「カーマも昔から全然変わってなさそうね。喋り方で分かるわ。そそ、カーマにはビターチョコ。これだけは覚えておいて。今後役に立つかもしれないから」


「分かった、ビターチョコね。ありがとう、また死んだ時頼むわ」


「また来てね。次はどんな死に方かなあ。楽しみ」


「ゴクリ…」


「冗談よ。今そっちに返すね」


シュ〜ン




「うーん」


「ユウ。目覚めたか」


「ハッ、ど、ドラゴンは?」


「目立とうとして無茶して…何しれっと軽く死んでいるんですか。さあ、帰りますよ…」


心配していた様子の顔で俺に少しキツく言うカナ。


「一応、解放には成功したよ。ユウが受けた破壊光線がカギだった感じで、撃ったあと一定時間動けなかったみたい」


「そうなのか…ありがとう。皆」


「さてさて、今日はお祝いのご馳走を作るぜ!」


「そうね〜さあ、ささっと家に帰ろう!」


「ひとまずそうしよう…」


「……」




「ただいま!」


「料理二人で作るから待っててくれ」


「ああ、分かった」




10分後〜


「出来た!…ってカナは?」


「俺は見ていないな。外か?」


(俺のせいかも…)


「ちょっと見てくる」

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