三話 早速、討伐クエスト!

鬼のライキが仲間に加わった。今日は初のクエストに挑戦する予定だ。


「ライキの家、全然狭くなかったよ。しかも料理が美味すぎる。ありがとう」


「喜んでもらえて何より。で、今日はクエストに行くんだっけか?」


「うん、その前にパーティーメンバーを募集する張り紙を作るからひとまずギルドに行こう。そこでクエストもついでに探そう」


「了解!」




〜ギルド〜


「よし、これをこうして…できた。これを募集欄に貼って…さあて、初めての討伐行きますか〜」


「モンスター討伐、楽しみだぜ〜ていうか、募集紙にはなんて書いたんだ?」


「えーっと、簡単に稼げるクエストを主にしている者…って誰か編集したか?」


そう言った直後、カーマが口笛を吹き出した。


「カーマ、お前か」


「バ、バレた」


「ったく、これだと詐欺広告みたいな感じじゃないか」




30分後〜


「冒険仲間募集!冒険職なら何でもあり!年齢層は10代後半ぐらいの人が望ましいです!シンプルにこれで良いだろう」


「ケッ、つまんねえの」


「初めはこういうシンプルな方がいいだろ」


「ささっ、早く討伐に行こうぜ!」


ライキはワクワクしているようだ。


「ちょっと掲示板見てくるわ」


クエストが書いてある掲示板を見てみた。


(えーっと、どの辺りが最適かな…お、!!食料モンスター大量発生!!討伐した分のゴールドがもらえるのか。へ〜モンスターの強さによって報酬の量が違う。面白そうだ)


「よし。ライキ、このクエストで良いか?」


「オイラはなんでも良いぜ〜」


「じゃあ、決まりだな」




〜大草原〜


「はあ、疲れた。よいしょっと。瞬間移動なしで来るとかなり疲れるな。しかも、本当にここに現れるのかっていうぐらい静かだ。えーと、出現モンスターは主に3種か。トビウオとグランバッファローというのがいるんだな」


(トビウオって…魚なのに陸にいるんだ。この辺りには海が無いのかな?)


「疲れるの早くねえか?」


「いや、ライキのスタミナがありすぎなんだよ。どれどれ、後は人食い野菜…ん?」


ふと座ったところを見てみた。


「グラアアアア!」


ガブッ!


(あぶねえ…)


「来るぞ!」


「任せろ」


「!ライトニングハンマー!」


(頭からニ本のツノが生えた。やはり鬼だ)


地面が割れ、割れ目から出てくる稲妻が、モンスターへ襲いかかる。


ズバーン!


「やった。って次から次に獣が。バッファロー?でもなんか違う。土のように原型がない」


「おお、これだけ倒せば腹一杯飯が食えるぞ!てか、カーマのやつは何してんだ?」


「ガンバレー」


遠くから声が聞こえる。


「あいつは攻撃できないからな。単に応援してくれているのだと思う。よーし、こっちも行くぞ」


「!ドレインスラッシュ!」


ザシン!ザシン!


バラバラバラ…


「自ら体を崩した!?体が再生していく。おまけに空から魚が。いや、これ魚なのか?どう見ても羽が生えているんだけど。明らかに鳥の羽じゃん!?」


「ゴー!」


(あれは、水の波動!?水属性なのか?)


「水属性のやつに電気は有利だ。再生したバッファローもついでに…」


「!サンダーフィールド!」


ライキの周辺が黄色い床に変わった。


「ユウも感電するから一旦離れて!」


「分かった」


ビューン


ズバアアン!


魚を雷で粉々にすごい威力だ。黒焦げになっている。バッファローはいなくなったようだ。


「ふう、良い運動になったぜ〜」


「今回のクエストはこれにて終了か?」


「待て」


「どうしたカーマ?」


「まだモンスターの気配がする。しかもかなりでかい。一旦逃げるぞ」


瞬間移動で木の茂みに隠れた。すると…


「グルルルル…」


「何だ。あの、でっかい狼は…」


それは紺色の毛で覆われ、黄色く光る目と頭に三日月のような模様があるモンスター。


「おそらくこの辺りの主であろう最強の食材モンスター、その名もムーンウルフだ」


「あの狼が食材!?」


「ああ。アイツはかなり強くてな。食べると力がみなぎるというスグレモノの高級食材だ。普通はエネルギーが貯まる夜に活動するはずなんだが……」


とライキが説明する。


「どうする?」


「今のオイラ達には敵わない相手に違いない。一旦中断して、ギルドに戻ろう」


「分かった」


ビューン




〜ギルド〜


「主のムーンウルフ以外は討伐していただきましたので、しっかり討伐分の報酬は授与させていただきますね」


良かった、換金はしてくれるそうだ。


「ライキはちょっとテーブルで待ってて」


「おう」


「あ〜、もう瞬間移動全部使ってしまった」


「計画的にいかないとピンチな時に使えないからな。明日から頑張れ」


カーマが励ましてくれた。


「お待たせしました、換金額15万ゴールドです」


「え、そんなに!?」


「はい、あの辺りに出現するグランバッファローは実は特殊でして、倒すのが困難なモンスターなんですよ。10体も倒すというのは凄いことですよ」


「そうなんですね」


「それから、他のモンスターも討伐していただいたので合わせたらこの金額が妥当ですね。討伐お疲れ様です」


「ありがとうございます。後、ここで食事をいただいて大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫ですよ。注文する際はウェイターさんを呼んでくださいね」


「分かりました」



最終的に俺はトビウオ肉を、ライキはバッファローの肉を頼んだ。


ジュー


「美味そうだ!もう良いかな?」


「まだだろ。しっかり焼かないとお腹壊すぞ……よし、焼けた」


「お先に。モグモグ…美味い!」


「よく噛めよ。じゃあ、こっちもいただくとするか。モグモグ…うんめぇー!」


「じゅるり…」


カーマは食べたそうにこちらを見ている。


「なんだ、カーマも食べたいのか?」


コクッコクッ


首を縦に振って欲しがっている。


「ほら、食べてごらん」


「…くっそ、背後霊だから食べられない」


「残念だな〜モグモグ…」


「それ本当に思ってる?」




『ごちそうさま!』




〜夕食後〜


「は〜、美味かった。自分で倒した報酬で食べる飯は格別だな」


「しかも、そこそこ稼げて良いクエストだったしな」


「明日も行こうぜ」


「うん」


ギルドを出ようとした時だった。


トコトコトコ…


???「私達、この張り紙を見て来たんですがパーティーに入れてくれませんか?」


「えーっと、貴方達は……」

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