人は右/車は左/仏の座/雪解け水に踏まれて沈め
人は右/車は左/仏の座/雪解け水に踏まれて沈め
山を数える時の単位も「座」と言いますが、この「仏の座」はある山のことを表しています。
それは仏=死者の集う霊峰、狂気に駆られた母親が、クマを麓まで追い立てた、あの山です。
車に乗って山道を登り、その山の頂上に辿り着いた母親は、死んだ子どもの記憶を取り戻そうと必死に祈ります。
雪解けの季節、融けた雪が鉄砲水となって氾濫する危険な時期。
何度となく山頂に通っても、一向に何も思い出せない。焦り。恐怖。
このまま鉄砲水に流されてしまえば楽なのだろうと思いつつも、子どもの顔を忘れたまま死んでしまう訳にはいかない。そうすると、死後の世界でも我が子と会うことができなくなる。
だから、彼女はただ只管に祈り続けたのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます