とろんと座礁

錘オモリ

小さな出っ張りを描く、

それは新たな扉かもしれない

異質な残骸は新たな生を運んでいる

甘くもないものを頬張りぷにぷにと遊ばれては

感覚とたのしめれば時ともに声も漏れだしたものです

よいしれるだけでいい、壊れたフィラメントの夢に踊る

幾重も瞬きを折り重ねる 私たちは翳をも夢に孵すうたうよに、

うまれておいで、夙(つと)に

熱動(ねつどう)をも計算ともすれば 救難信号すら拈(ネンズ)

卑猥な指音で押し開くは 奥地花、

舌先で絡め獲る自らの名を 曼殊沙華と例えよう

心に打ち付けられた葬列 姿は荼毘に伏されて

おざなりに身を寄せ合う仮想化された欲が溢れては

蟻地獄の水難事故 あれは私の仕業だったか

粛々と寂しいから愛おしいから 誰であろうとよかった

それ以上でもそれ以下でもなく 便宜上 家族だって

小さな矜恃が壊されて 緩くだらしなく排出される糞

身から排出される 涙とて、さあ掬われなさい

小さな和金が死んだ日を夢見ている

もうわからない

憐れみを超えて愛と括り出す本質は誰につながっているのか

思いの交わりが糸を絡ませ日々ネガだけが鮮明に透かす

うつろな心が写せない

しあわせは何処で売っていますか

永遠に金で愛を買う、ときの蜃気楼

今そこに、駄々流された填(うづ)に、

果てのない波打ち際、翻弄され始めている

アンカー

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