エチュード

余剰で出来た白霧のエチュード、

域を広げながら天の梯子をひたすら上がる

永く遺る祝いで秘される、

高みだけをひたすら目指し、息を切らしながら


あの地表のひまわりのつらをみたか、

卑屈にわらうはだれか!


紫の回遊魚がゆくゆくまで、おひれをたなびかせる、

祭り花火の燃え滓に唄が宿る

はだかの無観客が拍を刻んだ。

その裏側では山が燃ゆると、赤く解けたヨウカイロ。

火照りも浸る細道の蠢くものが

行燈の先に延びるは影と、あぶくとも似た幸福に、

最期におちるのは奈落であろうと

煎じて呑み込むくすりとほほえみ


よせばいいのに舟を漕ぐ 何処へ向かうか わからぬままに

溺れているのも娯しかろうな その手元に神は宿るか、

たゆたうまにまに游ぎつかれて 堂々巡りで辿り着けない

ならば惹かれてゆかんとするか

 

先頭車両のひとりひとりは涙を流し、

手を差し伸べては呑み込まれる人生の

毎夜の峠を超えられ得ぬと、とこしえの先を追い越さん、

すりぬけていくなつの終幕


踏みつけられた野端の跡に、口から溢れたあかいはな。

心の間々に突き刺さる 轍と裂いたモノの風。

鈍ら生らしい艶粧した 面を貼り付けられた魂たちは

容易い想いに囚われて、新たな土壌に坑を彫る


__________

午後2:44 · 2020年8月1日 @utakatakotyou

#詩コン 辛

久しぶりに選んでいただきました、

どころか詩コン賞まで頂きました!

本当にありがとうございます(∩´∀`)∩ワーイ

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