いろは

る程の、空蝉の、底に生らばる朝顔の

 彩葉を空かす水玉の、いと鮮やかな溜息に

 天を定める向日葵も 茹だるばかりの琥珀の柩

 飲み下しては ゆくゆくだけを

 腹に充たして、みるも善い


を囲む。いついつまでも降り頻る、

 赤や黄色の光と散って、

 言ノ葉だけを掻き乱しては、

 床にも描けぬものが有り、

 とこしえで在れば宜しいと

 いつかどこかでまた逢えましょう。


はねの息吹に笑みも尊ぶ、もうすぐの

 水銀燈の影を踏む、さくさくとゆき雪舟待つ。

 せせらぎさららと想いて綴る、

 居間に集いて、明日をも忘れる。


 予のいろは、数え哥にもなりゃしない

 ちいさきもみじも はらはらと

 拙い桜も、舞っていく

 いつのことやら縁の下

 とんと包まる早春の、ぬけるような蒼だった。



______________


「陽だまりにいろは」「舟」「蒼」

フォロワ様から素敵なお題を頂きました、

ありがとうございます(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”

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