かいにはなれない、私は

あいのうたをうたおうだなんて、馬鹿なヤツら

真っ白なカミを見て 目を閉じてから、カッコウでも鳴いてくれ

定型文、

指で摘んでさ、ほっぺた 抓っちまいな

夢であれば 居たく 無いだろう

砂漠の真ん中だけど、きいちゃったから 碌でなし

代わり泣いて暮れようか八咫烏の子、此処へ おいでおいで。

 

鉄条網を作り上げたひとは 自由にひとを縛り 自由を晒しあげ

声高らかに ウタイオドル くそきみどりのあざやかな、フンッ、

プンスカしてる たいらな 餓鬼みたいだ

さえずりャあえぎ、漏らしてしまった、醜態をタンと孕んだ、

のみこめない ひろいひろい海にきてしまった

鴎、底はふかい谷間を覗く

 

あゝ ヤマであり、峠である。

さらば、おいさばらえる、わが身よ、

恋人もいない、いのるものもなく はてるだけの。

岩壁に下る、完璧なエンドロール

ハンケチには弧を描いていたのか


空白の棺で首を括り、ぶらさげた君の名を、舌で転がして、

片手間に、弄る

そしてひらりとかわす 愛言葉を、簡単に淡々と天に放つ


ちらばして、のばしたひに、おもりをも垂らして 沈む夕暮れ時。

風に流された赤い糸

ほつれた意図、ほら地上に縫いつけた刺繍糸切れてばかり

二枚貝はいと、ひらき、やかれ。すなつぶてとお道化ただけ、

それだけ。

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