aoie

回廊の藍い絵

それは万華鏡の空であった 鼓動の海出逢った


深き谷間の野茨で道に惑い

甘糸そよ風の唄を縫い点けては

透過すると魅せる 刃こぼれは

細胞分裂の衣擦れを連想させる


息つくも行き着けぬ 生みの底に

シンデレラ症候群の現れ

宵闇の思い出 渦巻毎々拗れた淡雪

純心の色葉を騒めかせて

涙目の木漏れ日に空蝉の釦も弾け散る、

落果速度も、いつか緩む

天の花火は頬を膨らまし、

みずたまりに重なる 認め行く旅路


叩いた掌から高鳴る紅を、

陽に預け赤らんで逝った空はただ、旎


生と死のjamに微睡む入り江の退屈しのぎ

瑪瑙のさざ波は残影に被さる、

恋人たちの落とし物

正面の教会に薄らぐ一等星、

朝焼けに宿る鳥居の隅にある

蜃気楼の舟。

流浪の愛を連ねても

あの果実の前では無意味に巣食う

鴎が泣いた夢、

恋焦がれて浚われた海の入り口に見合う

マーマレードの偽薬に憑りつかれた

回転は狂った舵を利かす

右往左往する少年と少女が

遊覧飛行を楽しめるように

閉じた瞳でひとり いきる

希みを青い鳥に託して、子午線を退く

図案化された今を抑え、

風に蒔かすだけの泡雪と時化る


朧月夜の如く幽玄の涯花。

まるで陽炎、それはうつろいひ。


放課後の糸口を撓める 晩餐と絡繰り時計、

含みを満たす口吸ひも 暗がりに灯る 頬の明滅

ときの激情も、悪戯に再現さる幕切れ

ざわついた町へ、約束の塚に消えると、

懇々と想うことがある


ねがいごと

あれは、いきをとどめた、あしたとゆうひ。

梅雨の晴れ間かと見紛うような、

まっしろなあおを彼方に


命名、あおい へ

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