第37話
「諸君」
二週間が経った。珠希達がクラスメートを奪還したことにより、人間軍の勢いは無くなり、今は既に王城を落とすだけとなった。
現在、最終調整として、久しぶりに魔王12幹部+珠希の姿が魔王の間にて会議を行っている。
珠希は久々に会うベルセルクと握手を交わし、この前から懐かれたフェンリルは珠希の頭の上に乗り、寛いでいた。
「いよいよ。この戦争もあの国を落とすのみとなった。別に難しいことは言わないーーー侵略し、後悔させろ。それだけだ」
なかなか魔王っぽいことを言ったオスクロル。実際に魔王軍がやっていることは嫌々ながら隷属させられていた国を救ったり、戦えないものはエーテルの庇護下に置いたりと、そんな悪っぽいことはしていない。
ド畜生は遠慮なく殺ってますが。
「作戦決行は三日後。エーテル、ミリーナ以外の幹部たちは落とす準備を各々始めるように」
「お主!」
「おっと、どうした?」
特に準備することはないフォルカウス。今回は少数精鋭で行くらしく、各幹部が実力者を30人ほど見繕う予定だが、
だがしかし、それでも種族的な壁を越えられないので、フォルカウスの実力者ならいるための、大体少数精鋭となると、実力はフォルカウスくらいという基準が存在する。フォルカウス自身も納得している。
なので、フォルカウスには準備が必要ない=暇である=珠希とイチャイチャしようという思考回路になった。
「なに。我は暇だからな、お主と愛情を深めようと」
「何を持ってその結論に至ったのかは知らんが、それはそれで大歓迎だ」
ヒョイっと珠希はフォルカウスの小さな体を持ち上げて抱き締める。フォルカウスも珠希の首に思いっきり抱きつく。
「……うむ。これもいいのう……お主の体温を感じられて……我、好きじゃあ」
「そうか、それは嬉しいな」
無意識の内に、フォルカウスは珠希の首筋に、口を押し当て、ハムハムと甘噛みをする。これは吸血衝動の表れである。
オレンジ色の髪を撫でながらフォルカウスをお持ち帰り。転移で部屋へ移動した珠希達はベッドへ腰を下ろし、フォルカウスとは対面座位で向かい合う。
「……で、何したい?」
「むふふ……もうちょいこのままがいいのじゃ」
ぎゅむーと珠希の胸へ顔を押し付けるフォルカウス。珠希は、可愛いなと思いながら頭を撫で、どさぐさに紛れて、フォルカウスの尻を堪能する。
「んっ……くすぐったいのじゃ」
「じゃあ止めるか?」
「お主……あんまり意地悪を言ってはダメじゃ……そう言われると、我……お主のを……」
段々とトロンとした目に堕ちていくフォルカウス。既にフォルカウスは快楽の虜である。
「……お主……んっ」
珠希は、ゆっくりとフォルカウスをベッドへ押し倒して行った。
フォルカウスと十分に楽しんだ珠希は、疲れで寝ているフォルカウスを寝かせたまま、珠希はエーテルが収めているという領土へ来ていた。
理由は、この街で療養中の仲良し五人組に会うためである。あらかじめエーテルに名前は聞いていたので、迷うことなく、五人がいる病院へとやってきた。
やはり助けた生徒たちは戦争に強い忌避感を持っており、戦争に参加するのではなく、エーテルの街で大人しく終わるのを待つという選択をしたものが殆どだった。
そう、あの5人を除いて。
とある部屋のドアを開ける。そこには、いつもクラスでつるんでいた顔が喜色の浮かべる。
「「「「「珠希!!」」」」」
「……皆」
珠希は5人の無事な姿を見て一瞬泪が出そうになったが、それを堪えて、五人の元へ向かう。
「……とりあえず良かったよ。お前らが無事で」
「ホント。首輪をさせられる時は絶望だったけど……ほんと、珠希が来てくれて助かったぜ」
大和大輔。バスケ部で髪を赤く染めている。何故か珠希達と気があった。
「ありがとな珠希。手遅れになる前に助けてくれて」
小野・マリウス。金髪イケメンハーフ。サッカー部のエース。何故か珠希達と気があった。
「珠希、この感謝は忘れない」
萩村湊。髪を青く染めており、軽音部所属。どっかのバンドのボーカルをやっているらしい。何故か珠希達と気があった。
「まさか異世界転移であんなことになるとは……珠希には迷惑かけたな」
河野淳也。黒髪黒目&メガネの帰宅部。何故か珠希達と気があった。
「助かったでござるよ珠希殿。某の忍術でもあれはどうにもならなかったでござる」
齋藤康太。自称忍者。でも珠希達は手品だと思っている。珠希達はおもしれー奴だと思っている。
趣味もキャラも部活動も全く違う六人組。どうして気があったのかはこの誰も分からない。
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最後のやつは何故ああなった(困惑)
またまた新作だしました。もうすぐこれは最終話なのでクラス転移物を書きました。
『
後、『フェアリーテイルと空想の旅』の方もよろしくお願いします。
あとあと、これの略称ですが『ひとまお』ということにします。なかなかいいネーミング(自画自賛)
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