第28話 魔法の訓練
「それでは失礼しますわん。マミたん、アヤっち、
「今日はお世話になりましたぴょん。皆、これから仲良くして欲しいぴょん!」
夕方、コリアとカーニィと名乗る二人の獣人の少女が宿舎に向かって行く。彼女たちは「
「コリアちゃんもカーニィちゃんも二人とも可愛かったね! やっぱり本物の耳ってスゴイね。話しかけると、ぴくってこっち向くもんね。触ってみたい~♪」
「尻尾が『もふもふ』で触ったら気持ち良さそうでした。仲良くなったら触らせてくれるかな?」
「アイねーちゃんが
三人の女子高生たちは夕飯の時もコリアとカーニィの話で盛り上がっていた。井出は二人の獣人少女に感謝していた。彼女たちのお
「なあ、君らにも彼女たちの言葉は『美味しいわん!』とか『嬉しいぴょん!』って風に聞こえてるのかい?」
井出は三人に聞いてみた。
「え? そうですね。こういうカッコしてる子は大体あんな言葉
そう言って七海はスマホを見せてくれる。そこには猫耳やら
「きゃー、可愛い。『もふもふ』さんが一杯だよ。この写真、何ですか? 」
「これ、アイちゃん先生がくれた『コスプレイヤー』さんたちの写真だよ。皆、良く出来てるよね。この人たちって結構、「~にゃん!」とか「~こん!」とか言うみたいだよ。」
「ふ~。アイねーちゃんって2019年でも全然ブレてないねんな。
写真を見て、真由美が嬉しそうに
「彼女たちの話によるとキィサって名の猫族の女の子が後から来るそうだよ。見かけたら
「今度は『にゃん子』さんですか。今から楽しみです♪」
真由美がホクホク顔で
「それじゃあ、三人ともこれは基本中の基本ですからね。始めて!」
ラヴィニアが三人の女子高生に指示を出した。最近、午前中は二時間ほど魔法の訓練をしているのだ。今日は「
「
真由美がスラスラと詠唱してバシバシと火炎の球を何度も標的に命中させる。だが、その威力は先日にラヴィニアやリンネ中尉が見せた「
「えっと、
七海は
それは少し的を外して付近に着弾したが威力が
「ピラフ! ちゃうてー。何でウチ、これ間違えるんやろ。
アヤはまだメモを見ながらだ。彼女の掌から飛び出した火球はひょろひょろと標的に向かって飛んで行く。しかし、かなり外れたところに「ぼふっ!」と音を立てて着弾した。恐らく、まぐれで当たれば
「はい。まあ今日のところはこんなものかしら。真由美さんは
ラヴィニアが一息置いた。
「アヤさんは先ず術式を暗唱出来るようになること。特にこの間やった「
ラヴィニアが少女たちにアドバイスをして訓練を終わった。
「マミたん、術式ってどうやって覚えるん? コツ教えて~。」
「良いよ。お昼ご飯終わったら、一緒に練習しようよ。」
アヤが真由美に泣きついている。真由美も快く引き受けていた。そんな中で七海がエマに質問する。
「ちなみにエマさんがやるとどんな感じなんですか?」
彼女の問いにエマが答える。標的に向かって右手を
「私は精度はあるんだけど威力が無いのよ。他の
「いえいえ、普通に
七海は肩を
「ラヴィー・マム、自分は練習しなくても良いのですか?」
「浩一クンは
彼女の説明によると本来、「
「先ずは『
ラヴィニアの指示に従って、井出は心の中で「自分の体が岩の様に堅くなるイメージ」を思い浮かべた。直ぐに体中を黄色く淡い光が包み出す。試しにエマが
「他の人に魔法で強化してもらうより体に対する反動も少ないわ。それと気を付けてね。『
この後、井出は
午後からはいつもの業務をこなして時間が過ぎて行った。定時連絡と丘の監視、隊商の受け入れ、施設工事の指示、
「なーなー、皆今晩のご飯はどんなお肉食べたい? リクエスト有る?」
アヤが獲物から
「なあ、コイツで
井出の提案にアヤは何とかしてみると言って
その日の晩御飯は「ハイコヨーテの
「皆さん、起きて下さい。『
居間に布団を敷いて寝ていた井出が「保安官の町」から
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