第12話 草原の用心棒
ラヴィニアの
「申し訳ありません。
井出は真由美の
「あら、いやだ! 私ったら自分の話ばっかりしちゃって! もうお
都合の良い時だけ「おばあちゃん
パトカーに向かう途中、
「アヤ、あなたが居れば私は百人力だわ。」
ピートをずっと預かってくれているアヤをエマが
「確かに両手が開いたエマにはそこら辺の男が何人か居ても
保安官テッドがまるで自分のことのように
「それでは今日はこれで失礼します。沢山の有益な情報を提供して頂きありがとうございます。ラヴィー・マム」
井出がお
「今日はお疲れ様。帰ったらゆっくり休んでね。また近いうちにお話しましょう。期待してるわよ、
不意を突かれて固まっている井出を尻目に、彼女は屋敷に入って行ってしまう。入るとき、こちらに笑顔で手を振っていた。
「ふぅ~ん?」「ほーう、ほう!」「・・・。」
七海がジト目で、アヤが面白そうに、真由美が顔を
「え? 今のって
キスされた頬を
「はい、井出さん! これ、ど~ぞ!」
運転席に乗り込もうとすると誰かが井出の背中を
「フフフ、これで俺はあと30時間は起きていられる!」
「いやいやいや、帰ったら直ぐに寝て下さいよ~!」
少しハイになって
西門に向かうため、町の中を徐行で進む。
「ラヴィニアさんてさ、なんか『深キョン』に似てたね?」
「え~? なんか
七海の感想にアヤが突っ込む。七海はスマホを操作して動画を見せてくれた。なるほど、顔の
「この
「あれ、生まれた年で考えるとアヤ君ってこの人の一つ下なんだよな?」
「あー! そこ、
七海の話に井出が乗っかった。アヤが頬を
西門の扉が開く。完全に開くまで停止して待つ
「ふ~ん。あの三人の女の子たちの姿、『ヒウム』を呼んだ『神様』が居るのなら中々考えたわね。それと駐在警察官の井出 浩一クンか・・・。ウンウン、結構『アリ』かもね~♪」
彼女は一人、ウキウキしながら
井出は
丘を中心にして「黒い建造物」は等距離で配置されているようだ。確かに次は丘の中心から、北か南へ2Kmの位置に新たな「黒い建造物」が出現するのではと予想するのは自然なことかも知れない。
時速40Kmで巡航すれば「保安官の町」と駐在所は片道6分、加減速の時間を考えても7、8分で移動出来る計算だ。急げば5分くらいで移動出来るだろう。
パトカーが丘の頂上に差し掛かる。頂上の台地を進むと西の
「ハイコー! 20頭は居るわ! 人が乗った『馬』を追いかけてる!」
「ハイコー」とは「ハイコヨーテ」を略した呼称だ。
エマが指差す方向を見ると
「助けるぞ! 皆、
井出は短く叫ぶと同時にギアを4速から一気に2速に落としアクセルを踏み込む。
時速60Kmまで加速する頃には逃げる「馬」の右側100m程の距離に並んでいた。
「ターン! ターン! ターン!」
エマがライフルを3連射した。「馬」に追いつきそうになった先頭の
それにしても時速60Kmで走る
だが、このままダラダラと撃ち続けていては
「エマ!
「イエッサー!
井出の言葉にエマは即答した。彼の意図することを瞬時に理解したようだ。井出は
「ターン! ターン!」
エマが
(ふうん、「ウインチェスター」じゃなくて「マーリン」なんだな。やっぱり44-40口径なのかな?)
井出はライフルを
「
エマが叫ぶ。同時にライフルに弾丸を込め出した。井出は即座にパトカーを急発進させる。グリップの悪い草地で
あの速さで7発撃って5発
井出は
「奴らと『馬』の間に
「
井出がエマと後部座席の少女たちに叫ぶ。エマが
「君たち、入場を許可します! あの建物を目指して走って!」
井出が馬に乗る子供たちに駐在所を指差しながら叫んだ。同時に「黒い建造物」の周りの防御結界が淡い緑色に光るのが見える。子供たちも彼の指示を理解したようだ。右に進路を変えて駐在所を目指して進み始める。「馬」の小さな翼が戦闘機の
「やっぱりそう来たか! させるか!」
井出が右にハンドルを切る。「馬」の進路を
「ギャウン!」
逃げる方向を間違えた
「元の世界でこんな事したら
井出はギアを2速に落としながら急ブレーキを踏んだ。
これで脅威になるのは左後方から追いかけていた集団だけだ。奴らは中央の集団の残党と合流しながら「馬」を追いあげている。井出はパトカーを加速させていく。助手席でエマがライフルを乱射する。今度は命中は期待していない。
それでも「馬」を追う集団の先頭から3頭が脱落する。残りは4頭。井出は「馬」の左後方に
「ダダダーン!」
エマが
「ゴキン!」「ガアアッ!」
骨が
(あ、この
井出は強く心に
「馬」は既に防御結界の内側に入っていた。散らばった群れの残党がまだ
「井出、私とピートは既に許可を貰ってるから大丈夫よ。」
エマの声に井出も
目の前には2頭の肉食獣が倒れていた。
しかしコイツらが「
「ギャイィーン!」「グゲエェェッ!」
丘の南側から真っ黒い巨大な塊が駆け上がって来た。ソイツは一瞬で2頭の
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