第8話 保安官の町
パトカーを駐在所の前に
「お二人ともお疲れ様でした。井出さん、
交互に井出と七海を見ながら、真由美は
「井出っち、カッコ
アヤが
「ハーイ! サッキハ、ピンチヲカバーシテクレテ、サンキューネ!」
馬車?の
(男の子か、息子さんかな? 髪は赤いけど、ブルックシールズにそっくりな
井出は手を挙げ返しながら思った。
「オー! コノ『プレッツエル』ハ、コーヒー二ヨクアイマース!」
頭の中で
「ワタクシハ『テッド・アンダーソン』イイマース。『
「ミーハ、『
「オナジク『
三人は自己紹介をすると、それぞれ
ただ、アヤが自己紹介したときだけは三人の保安官はお互いに顔を見合わていた。彼らは何も言わなかったが、やはり
保安官たちの話を
・丁度100年前に1890年代のアメリカ人の男女が4人、この世界に「召喚」されたこと
・その四人が作った人口100人ほどの「保安官の町」が丘の向こう側、この
・その町には「
・その「
・井出たちが「召喚」されることは
・保安官たちよりも昔に「召喚」された人たちも居たこと
・この世界にはエルフやドワーフ、ホルビーと言った
以上だが、もっと詳しい人物が居るので、これから「保安官の町」に来て会って欲しいと言うのだ。
ただ
(これは体験談だな。この人、相当痛い目に
「リーン! ゴーン! リーン! ゴーン!」
突然、駐在所の裏から
「コノタテモノハ、マイニチ、オヒルチョウドニ、カネヲナラシマース!」
保安官たちは黒い建造物を調べていた。主に建物の前にある
「ボク~! こっちおいで~♪ おね~ちゃんとあそぼっ!」
妹二人と弟がいると言うアヤが
エマが胸ポケットから取り出した黄ばんだ紙片にチビた鉛筆で何か書き込んでいる。その紙片を獣の死骸の上に置くと看板状のパネルで何か操作を行った。低い
淡い光が消えて、再び円形の台が戻って来た。その台の上には毛皮が二枚と皿に載った5Kgはありそうな
「オイシイトコロダケ、クダサイト、シテイシマシタ! ホカハ『チャペル』ニアゲマシタ! チナミニ、サラハ、ケモノノホネデ、デキテマース!」
彼女の答えに、「ああ、確かに
次に井出が最後に倒した1頭のハイエナもどきの死骸を円形の台に載せた。エマは周囲に呼び掛けた。
「ナニカ、ツカイタイ、チョウミリョウハアリマスカ?」
瞬時にアヤが手を挙げた。男の子を抱いたまま彼女が調味料を持って来て台に載せた。生ニンニクや
再び円形の台が上がって来ると、その上には
「は~い! ピート君、あ~んして~!
アヤが金髪の男の子、ピートに小皿に盛った甘口カレーを小さなスプーンで食べさせている。小さなグラスに「カルピス」も入れて
三人の女子高生とピートが居間のコタツで食事する
「なるほど、確かに『
「ソウデース! ショクジガオワッタラ、スグニシュッパツ、シマショウ!」
保安官三人はステーキと持参した丸くて硬そうなパンを食べている。こちらにもグラスに入った「カルピス」が出されていた。彼らの話す
保安官たち三人が乗った馬車が出発する。続いて井出と三人の女子高生とピートの乗った
ちなみに保安官たちの馬車を引く動物は「ホースバード」と言う生物だそうだ。
脚を
その「
三人の少女たちは初めて見る「異世界の町」に目を輝かせている。この町には自分たちと同じ世界から来たアメリカ人の子孫が100人以上住んでいるのだ。この異世界で井出と三人の女子高生が暮らしていけると言う「
町の西門の前まで来ると
「ミナサンノ、ニュウジョウヲ、キョカシマース!」
保安官テッドが片手を挙げてそういうと町を取り囲む
「ハイコー!」
その方向を見やるとさっき
「ギャン! ギャイン!」
ハイエナもどき共が数頭、ゴンゴンと音を立てて
井出は保安官たちが駐在所を訪ねて来た時のことを思い出す。あの時、保安官たちが「ナカニ、イレテクダサーイ!」と言ったのは入場許可を求めていたのだ。井出が「どうぞ!」と返したので中に入れるようになったという事か・・・。
「うー・・・。やっぱり、この世界の『神様』ってヒドイ。意地悪だよ!」
後部座席から七海の声が上がった。確かに予めこの事を知っていれば、昨夜あんなに怖い思いをすることは無かっただろう。彼女の怒りは
保安官たちの馬車に続いて
確かに色々な種族が居ると聞いていたが、野次馬たちは様々な姿をしていた。背が低いが体格が良く、がっしりとした
馬車が町の中心にある大きい屋敷の前に
そこには
「皆様、ようこそ! 私がこの町の初代保安官の『マービン・アンダーソン』の妻、ラビィニア・アンダーソンよ。まあ、二番目なんだけどね・・・。」
彼女は長い耳をピコピコと忙しく動かしながら
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