第1話 転移 三つの異変 七海の場合
その日は朝から、とても暖かかった。12月の20日だというのに、春を思わせる日差しが街角のあちらこちらを明るく照らしていた。
「今年って本当に暖冬なんだね。今日の最高気温、16℃超えるんだ~。」
スマホで天気予報を確認して、彼女は機嫌良さそうに歩道を一人歩いている。
165cmという女子としては高めの身長と
ベージュを基調としたチェックのミニスカートは特に手を加えて短くしたわけではないが、丈が
髪は耳にかかる程度の長さで
年が明けて春が来れば高校卒業だが、既に横浜市内の大学に
「着いたら、まずはトイレで制服着替えなきゃね。」
そう
「え? えっ? なにこれ? ええっ! 皆は? 皆は無事なの?」
待ち合わせている友人達と連絡を取ろうとスマートフォンを取り出そうとした瞬間。
「ゴルルゥゥッ!」
背後で、何か
「ひっ! きぃっ…。」
思わず悲鳴を上げそうになったがギリギリで押し
「ゴアァッ! ゴゴァッ!!」
「ひぃぃっ! いやぁぁっ!」
不意に後ろから
「ゴンッ!」
大きな衝突音らしきものがどこからか聞こえたが、振り向いて確認する余裕など無い。頭の中は
「助けてっ!
床にぺたんと座り込んでそう叫んだ直後、七海は気を失った。
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