追憶の夢2

 私は“彼女”のことが気になって、またお昼休みに寮に向かった


 親友には呆れ顔で見送られたが、自由勝手な私の振る舞いを許してくれる


 流石である……そんな親友には放課後に彼女お気に入りのパフェ屋に連れていくとしよう


 こっそりと最上階のテラスを覗き込むと、昨日と同じように“彼女”が座っていて優雅に紅茶をのんでいた


「あら、また来たのね、こちらにいらっしゃい」


 私に気づいた“彼女”が声をかけてきた


 私は恥ずかしく思いながら、そっと“彼女”のもとに向かった


「今日も、一緒にたべてもいいですか」


「だからそんなに緊張しなくてもいいのに、どうぞ」


 “彼女”の微笑みにあてられながら、私は今日も“彼女”と一緒に弁当を食べた



「なんで、貴女はここで食べているのですか」


 食べ終わったあと、まだ少し時間があったので気になったことを聞いてみた


「そうね……その硬い口調を直してくれるのなら話そうかしら」


「えっ……でも、これは自然にそうなるの」


 “彼女”のオーラとかそういうものが私に気安く話しかけてはならないといってくるみたいで、本当に無意識に丁寧になってしまう


「まぁ慣れてからでいいか」


 “彼女”は肩をすくめてそういった


「私はね身体が弱いの

 だからあまり学校にも行かないし、ずっとこの寮にいる

 授業は先生方にお願いして全部通信にしてもらっている」


 “彼女”が話してくれたのは私からすれば悲痛のものだった


 私にとって周りの人と同じことができないのはとても辛いものに思えた


 でも、“彼女”は仕方がないことだと思っているのかあまりにも淡々とした語だった


 そんな“彼女”に私はどこか惹かれていた

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