歯には歯を、魔法には魔法を。
かえって裏の作人館の攻撃。九郎坂がセーフティーバントで出塁。上村学園とまったく同じ手か。盗塁とバントで1死3塁。山鹿さんも盗塁阻止率は6割を超えるのだが「人間離れ」した速さでは対応できない。
どんな魔法か鑑定を試みたが、俺の鑑定スキルではそこまで判別できないのだ。4番熊野さんを当然敬遠。……のはずだったが、それを打たれてしまう。犠牲フライとなって九郎坂さんが帰って先制を許してしまった。
そのあとは2,3回もこちらは3者凡退。作人館も3回に九郎坂さんに内野安打が出たが3番で
俺はとりあえず
俺も伊波さんの金属バットを借りてみた。
いろいろ
「
ベンチで山鹿さんに
山鹿さんが監督に言うと許可が下りた。山鹿さんは俺に言われたフレーズを使って胆沢を送り出した。
「
胆沢がボックスに立つ。俺でも感じる熱い「
おー、そういえば
「結界魔法」だ。
内野から外野のフィールド上空にかけて「
さらに内野のフィールド、走者の走路となる部分以外にも同じ結界が。バントや内野安打を狙えば打を球殺せたうえに相手の内野守備も遅くなるというわけだ。
おそらく夏の甲子園のサヨナラ
それが「魔王の欠片」の発動で変容しようとしているのだ。作人館高校のナインそれぞれに微小な「呪い」がかかる。魔王と言っても「欠片」に過ぎない。だから世界を呪うほどの力はない。しかし、個人レベルの命運を左右される程度には十分に重い呪いなのだ。
俺はリトル時代から、何度もこの呪いを浴びせかけられてきたのだ。今は術式もケントが解析してくれて解呪魔法も使えるようになった。
ただ、これには問題もあって敵味方関係なく呪ってくるのだ。胆沢は「控え」である自分が気にいらないため、「目の上のたん
胆沢は九郎坂さんの初球のカーブを迷いなく振り抜く。打球は結界をぶち抜きながら飛翔を続けスタンドに突き刺さる。起死回生の同点弾。熊野さんが恨めしそうに俺を見る。いやいや、最初にしかけたのはあなたですよ。
おそらく、熊野さんが昨日俺と接触を図ったのはこの「呪い」の主を俺と見誤って俺を封じに来たのだろう。いや、胆沢の方は封じてくれて全然かまわなかったのだが。
「ナイバッチ!」
「まだ同点じゃい!」
珍しく俺とハイタッチをかわす胆沢のドヤ顔はいつもと少しちがって見えた。
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