人形・おもちゃ
第11話
人形・おもちゃ①
幼児の頃、母に買ってもらった人形やおもちゃがある。リカちゃん人形にエミリーさん人形に小ぶりのストレートヘアが美しい美少女の人形二体だ。裸になれる彼女達に、作ってあげたお洋服は、弥生時代の衣装の様に一枚布の首の部分を切り抜いて、横を縫うスタイルだ。リカちゃんにもエミリーさんにも洋服を私が作った。いつも見る玩具屋さんで、見るたびに売っているお洒落な服を全部買ってファッションショーごっこという「おめかし」したいという要求も当然あった。1着も叶わなかったのだが。
だけど幼稚な私はリカちゃんのくるくる巻き上げ髪型をといて、斬新なと言えば聞こえが良いが、モヒカンを連想させる髪型に散髪した。自分でやった、その髪型を好まない我が儘な私は、小柄の美少女人形をちやほやした。リカちゃんには二つの家があった。鞄をオープンするタイプの居間のお部屋と、少しちいさいサイズの開くとファーストフードショップになるヤツだ。私は後者がお気に入りで、お店で売るための食品玩具が発売されるたびに(買ってもらえないとわかってるのに)うきうきわくわくしたものだ。特に販売ごっこや飲食ごっこは萌え萌えだった。食べる事が出来ない樹脂の玩具をどうやって「食べ終わったから」ごちそうさまと遊んでいたかは忘れたがとても楽しかった。リカちゃん遊びを止めても(シルバニアファミリー((c)エポック社)や食玩とかいろいろ)ドールハウスや小物に、どきどきわくわくしていた。ファーストフードショップごっこは今でもどきどきする。それをリカちゃんと小ぶりの美少女(白衣)を私が担当してエミリーさんと小ぶりの美少女(非白衣)を姉が担当して遊んでいた。時に人形達の世界はぬいぐるみ達の世界とリンクした。四人とも女の子だったので、各々の彼氏を空想して、両想いのアベックごっこをして遊んだ。「ヲタ女子」でも「ギャル」でもない、なんだろー。地味系の本人と違い「(憧れの)根明女子」という種類の彼女達だった。思い出したが、ちいさいガラスケースの中で三段の雛壇に座わったお雛様の着物脱いだ姿や小道具全部にもどきどきしたし、ガラスケースから出される事のない、着物を着た日本人形も、飯事の獲物にされていた。 漫画ちっくなリカちゃん達と違い、美しい目をしてるなと思った。
時に日本人形は「あなたの知らない世界」や「ホラー少女漫画」で、私に恐怖を与え、眠るのや深夜のトイレを怖いモノに変えたりもしたものだが
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます